16年度道開発事業費は微増5317億円-道路が全国上回る伸び

2015年12月24日 19時17分

 国土交通省北海道局は24日、2016年度の北海道開発予算案を公表した。一般公共事業費に当たる開発事業費は前年度当初を約4億円、0.1%上回る5317億円。政府全体の公共事業費が横ばいとなる中、道路と空港が全国を上回る伸び率を示した。一方で、農業農村整備と治水は前年度と同額、水産基盤整備は減少。18日に閣議決定された818億円の補正予算案を含む実執行ベースで比べると、14年度補正の規模が小さかったため、11.9%増になる。

 政府全体の一般公共事業費が約26億円増の5兆9006億円と横ばいになったことに伴い、道開発事業費は前年度当初と同水準となった。全国シェアは9%で、前年度当初と変わらない。

 道局は、16年度道開発予算案で①人が輝く地域社会の形成②世界に目を向けた産業の振興③強靱(きょうじん)で持続可能な国土の形成―3項目を重点事項に設定。16年度から始まる第8期北海道総合開発計画の推進に必要な予算額を計上した。

 事業別に見ると、道路は道路環境整備を含めた全体で0.9%増と、全国(0.2%増)より高い伸び率。地域間の連携や都市へのアクセス向上、災害時の代替ルートの確保に向け、未開通区間の整備を図る。高規格幹線道路のうち、16年度に開通を予定している道横断自動車道陸別町小利別―訓子府間と旭川・紋別自動車道丸瀬布―瀬戸瀬間の2区間で供用に向けた工事を進める。

 治水は前年度当初と同額だが、15年度補正予算の81億円を含めると6.3%増を確保。石狩川流域などで防災対策を継続するほか、直轄ダム事業の幾春別川総合開発、沙流川総合開発、サンルダムに25.4%増の155億円を計上した。

 農業農村整備も前年度当初と同額の700億円。15年度補正予算に計上した587億円を合わせると7割以上の伸びとなる。農地の大区画化や水利施設の老朽化対策などを進める。概算要求段階で登場した6地区全ての新規事業化が認められた。

 水産基盤整備は7.5%減。水産物の供給力強化に関連する施設整備や衛生管理対策などの漁港整備は近年、全国に先駆けて本道に手厚く配分されていた傾向があり、その反動減とみられる。ただ、補正を含めると前年度並みを確保している。

 空港は新千歳で国際線の混雑緩和に向けた事業を進めるため、23.8%増と大幅に伸びた。19年度の完成を目指し、国際線の駐機場拡張と新たな誘導路整備に着手する。港湾では国際バルク戦略港湾に指定されている釧路港に重点配分する。

 アイヌ施策は、政府が20年度供用を目指す民族共生の象徴となる空間の整備で、国立の民族共生公園や遺骨保管施設建設の設計を進める。

 開発計画推進等経費には1億3200万円を計上。農水産物の生産分野と食品加工産業が連携し、地域に食品加工工場立地を目指す仕組みづくりなどについて調査する。


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