住友金属鉱山(本社・東京)の100%子会社、住鉱国富電子(共和町国富351の1、伊関聡社長)は、電子部品を製造する工場を法人所在地の敷地内に増設する。規模はS造、2階、延べ3500m²。2月中に施工業者を決め、4月から着工する予定だ。
スマートフォンやタブレット端末用SAWフィルターのチップに使われている基盤の増産に対応するための設備投資。近年、急速に市場が拡大したほか、通信の高速化や大容量化による端末1台当たりの電子部品の必要量が大幅に増加したため、住友金属鉱山は住鉱国富電子のほか、同じく子会社の大口電子(同・鹿児島県伊佐市)と青梅事業所で生産設備を増強する。これらの設備投資に約60億円を投じる。
住鉱国富電子が計画している新工場は、現在の工場(S造、平屋一部2階、延べ1万1200m²)に隣接する形で建設。ことし10月をめどに完成させたい考えで、今後、40人ほどの新規雇用者を募集する見込みだ。
工場新設について共和町の山本栄二町長は「町として長年、雇用創出の観点などから住友金属鉱山に事業拡大を要望してきたので、今回の工場新設は非常にありがたい」と歓迎。
同社が今後社員寮を整備することを予想し、「町有地を提供するなど、連携して取り組みたい。空き家をリフォームするなど、住環境の整備などにも着手できれば」(山本町長)と意気込んでいる。