北海道開発局の2015年度補正予算のうち、16年度に繰り越す額は300億円程度に上る見込みだ。このうち3分の2を農業農村整備が占める。これにより、3930億円余りの16年度予算に8%程度が上乗せされることになる。
発注見通しから集計した。15年度追加補正予算の開発局実施分は、農業農村が340億円と全体の約7割を占めたほか、治水81億円、道路43億円、水産21億円、港湾5億円など事業費の総額は493億円に上る。開建別で見ると札幌120億円、釧路115億円、旭川94億円、稚内40億円、函館32億円、帯広28億円、網走22億円、留萌16億円、小樽15億円、室蘭7億円となっている。
農業農村は札幌、旭川、釧路、稚内などで農地の大区画化を進める。河川は道内に13ある1級水系全てで、堤防の天端保護や破堤を防ぐ対策工を施す。このほか設計ストック確保のため、農業農村を中心に32億円の測量・設計費を計上した。
各開建は年度内に契約する翌債を公表。65件で約190億円に上っている。残る約300億円は明許繰り越しとし、4月以降に契約する考えだ。
明許繰り越しの発注件数は工事150件程度、委託業務100件程度の見通し。繰越額は、農業農村が約200億円で全体の3分の2を占めるとみられる。
開発局の15年度補正予算はゼロ国債が848億円、翌債が190億円。ゼロ国債は例年、全額執行されないが、3月末までの発注額は800億円規模になり、前年度を大きく上回る。