30年間通行止めの橋を小樽市が4億円投じ解体へ-18年度から

2016年03月24日 19時26分

 小樽市は2016年度、橋桁の一部崩落で30年間にわたって通行止めとなっている小樽内橋について、解体撤去の実施設計を進める。工事は最短でも3カ年となる見込みで、着工は18年度ごろを目指す。総事業費には約4億円を試算している。

 銭函3―4丁目の新川河口に架かる小樽内橋は橋長139・88m、有効幅員3mの6径間橋。このうち石狩側の2径間は1985年に桁が崩落し、小樽側の4径間、95・87mが残っている状況だ。

 構造は上部が鋼溶接I桁と一部木桁、下部は石狩側の橋台が直接基礎の重力式、小樽側が杭基礎の逆T式。桁崩落区間を含む5基の橋脚はいずれも壁式で、小樽側から第1―2橋脚が杭基礎、第3―5橋脚が直接基礎で整備されている。

 市の担当者によれば、かつては橋の近隣に小樽内という集落が存在。ここへのアクセス道路として、明治期には既に橋が架けられていた。昭和後期までは数度の改修を加えて維持してきたものの、この時期に小樽内の集落が消滅したため、桁の崩落後は長らく市と河川管理者の北海道が撤去に向けて協議を重ねてきた。

 15年度はHRSが、現況測量、地質調査、基本設計などを担当。基本設計では、解体に当たり石狩側から第4橋脚の手前までは河川敷盛り土を施し、第4橋脚から小樽側に作業用の仮橋を設置する計画。仮橋は約95m、5径間を想定している。

 16年度は実施設計を発注予定で、6月ごろ在来型指名競争で入札する予定だ。17年度は予算要求などに費やし、早ければ18年度からの着工となる。

 工事初年度は仮橋設置と本橋撤去、2年目に本橋撤去、最終年度に本橋撤去と仮橋撤去というスケジュールを描いているが、施工は渇水期に限定されるため工期に余裕がなく、さらに年数を要する可能性もある。工事発注は、年度ごとか多年度契約かを検討中だ。


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