北海道建設業信用保証は20日、2016年第1四半期(1―3月)の道内建設業景況調査結果を発表した。地元建設業界の景気を示す業況等の景気判断指数(BSI値)はマイナス19・5で、6期連続のマイナス。しかし、15年第3四半期(7―9月)に底をつけたあと、工事量が低調な中でも少しずつ改善し「悪い傾向が弱まっている」とした。品確法改正に伴う施策の浸透や補正予算の編成など公共事業の下げ止まりの期待感が反映されているもようで、来期(4―6月)は「悪い傾向がやや弱まる見通し」との予測だ。
道内建設業者を対象に四半期ごとに実施している景況アンケート調査。土木、建築、土木建築、設備業者を対象に3月に調査し、計255社が回答(回答率92.4%)した。BSI値は「良い」と答えた企業割合から「悪い」と答えた企業割合を引いた数値。
受注総額のBSI値は、官公庁工事がゼロ国債や補正予算などの発注でマイナス17と、前期に比べ1ポイント改善。官公庁工事は厳しい傾向から若干上向いているが、民間工事は減少傾向が継続。資金繰りは容易傾向と厳しい傾向が均衡を保ち、銀行などの貸し出し傾向も容易傾向が続く。
資材調達のBSIはプラス2・5と5期連続で容易傾向が続いているが、建設労働者の確保は困難傾向が強まった。賃金も引き続き上昇傾向にある。
来期は、業況等がマイナス17と悪い傾向がやや弱まる見通し。受注総額は官公庁工事が悪い傾向がやや弱まり、民間工事は悪い傾向が続くと予測する。一方、収益はマイナス15・5と今期から2ポイント下回るとみている。
経営上の問題は、1位が4期連続で「受注の減少」。7割以上の企業が回答を寄せた。2位は前期の4位からアップした「競争激化」が入り、3位は「従業員の高齢化」だった。
吉田義一社長は「これまでは、競争激化と回答する企業は40%前後だったが、今期は55%に上った。12年12月期以前は90%以上の企業が競争激化と受注の減少を挙げていた。そこまでひどくならないとは思うが注目していきたい」と過当競争の激化を懸念し、早期発注による秋枯れも危惧した。