エネルギープロダクト(東京都千代田区飯田橋1丁目3の2、丸山一孝社長)と韓国の大手電力会社である韓国電力公社(以下、韓電)は、千歳市内で共同事業として進める28メガ㍗級の太陽光発電所建設に着工した。事業費は約100億円強を見込み、2017年6月ごろの完成を目指す。稼働後の20年間、北海道電力に全て売電する。韓電が国外で太陽光発電事業を展開するのは初めて。
千歳市柏台1389ほかの敷地約109万m²に建設。新千歳空港に近隣する国道36号と337号沿いに位置し、しばらく遊休地となっていた。登記簿によると、太陽光発電所の建設に向けエネルギープロダクトが15年に土地を取得。ことし3月に韓電と設立した千歳太陽光発電所合同会社に所有権を移転している。
施設には韓国企業のLS産電製の太陽光パネルを約13万枚設置する。年間発電量は3500万㌔㍗を見込む。施工、メンテナンスはエネルギープロダクトが担う。
再生可能エネルギーシステムの開発と普及に向け、初進出となる北海道で太陽光発電所の建設を計画。そうした中、売電事業を実施するに当たり、「国内での資金調達が難しい状況にあったため、外国資本を取り入れることになった」(丸山社長)とし、韓電と運営・維持契約などを盛り込んだ共同事業協定を15年に結んだ。
事業費の出資者には、韓国の金融機関や生命保険会社などが名を連ねる。
4月から始まった電力小売りの全面自由化で、新電力や通信大手の各社は電源確保に奔走しているが、こうした状況に丸山社長は「今のところ、北電に全て売電することになっている」と話す。今後、千歳を拠点に太陽光発電所のメンテナンス事業も拡大する考えだ。
同社は、本州各地で太陽光、風力、バイオマスをはじめとする発電施設のシステム販売や施工などを手掛けるほか、売電事業も展開している。