函館市は、市民会館の耐震改修等調査結果をまとめた。ホール棟(大ホール)の外周面にRC造の骨組みを設置するほか、屋根補強、部材・壁新設、経年劣化している設備や舞台装置の改修を含め、概算工事費には32億5500万円を試算。6月補正で実施設計費を要求し、年度内の完了、2017年度の着工を目指す。
湯川町1丁目32の1に位置する市民会館は、1970年に完成。規模はSRC造、地下1地上3階、延べ7277m²で、ホール棟と管理棟(中央棟含む)で構成する。14年度の耐震診断を基に、15年度は改修方法や設備の劣化度などを北匠建築設計で調査した。
それによると、ホール棟は外周面にRC造の柱・梁による骨組みを設置し、内部では柱の一部と、舞台上部の屋根をコンクリートで補強する。客席の天井部分の軽量化を図り、客席床の傾斜沈下対策としては地盤改良処置を施す。
中央棟の各フロアには、鉄骨補強部材を設置。管理棟でも同部材とコンクリート壁増設などで強度を確保する。天井の改修対象箇所では、アスベスト含有吹き付け材の除去にも取り組む。
一方、改修する設備は電灯、動力、受変電、発電、構内情報通信網、音響システム、空調、衛生、換気など多岐にわたる。各棟で冷暖房、監視制御を改修するとともに、配管・配線などを更新。防災対応として、非常用照明、受変電・発電機などの充実も図る。
操作性と安全性に優れた舞台装置の改修を含む主体には約19億1900万円、電気には約8億1500万円、機械には約5億2100万円をそれぞれ見込んでいる。設計の中で内容を精査し、着工に備える。工事期間は複数年にまたがる見通しだ。