道は新たな地域づくりへ首都圏からの高齢者移住を促進

2016年05月17日 18時51分

 道は首都圏から田舎暮らしを楽しむ高齢者(アクティブシニア)の移住を促す北海道版CCRC構想の策定に着手する。人口減少を抑制する施策として、多くの市町村が地方版総合戦略で取り組む意向を示している。サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や医療施設の整備、医療事業者の誘致など新たな地域づくりが進むことが期待され、道は秋ごろに検討会を立ち上げ、策定作業を進める。

 CCRCとは、既存の福祉施設とは異なり、高齢者が元気なうちに地方に移住してつくる新しいコミュニティーを意味する。移住後は地域の生涯学習や社会活動に参加し、介護や医療が必要になった場合は手厚いサービスを受けられるようにする米国発祥の仕組み。

 政府は、首都圏から地方への移住を希望するアクティブシニアの定住を促進し、人口減少を食い止める地方創生につなげたい考えで、サ高住を中核とした地域づくりを推進している。

 先進的に取り組んでいる栃木県の高齢者向け住宅「ゆいまーる那須」では、都市部から移住してきた高齢者がサ高住を自宅として居住し、就労や文化活動をしながら生活している。ケアが必要になった場合は併設事業所が介護サービスを行う。

 CCRCの導入により、サ高住や医療施設の整備が期待されるほかに、看護分野などの雇用が生まれ、消費の拡大が見込まれる。一方で、介護対象になった場合の社会保障費の負担が大きくなるなどの課題もある。

 国が2015年5月に発表した日本版CCRCに関する意向調査では、函館、旭川、稚内など道内35市町村が地方版総合戦略に日本版CCRC構想を盛り込む考えを示した。

 旭川市では、総合戦略に構想を位置付け、病院や福祉施設を充実させ、首都圏からアクティブシニアの移住を促す「まちなかプラチナベース」を推進する方針。当別町もCCRC構想を軸として、スウェーデンヒルズ地区を中心にJR石狩太美駅周辺の再開発や、商業・医療施設整備の民間事業者誘致を検討している。

 道はこうした動きを受け、市町村の手引きとなる北海道版CCRC構想の構築に乗り出すことにした。16年度予算に2570万円を計上。秋ごろに検討会を設立し、道内外の先行事例を参考に本道に適したCCRC構想を構築する。

 国が推奨するサ高住を中心とした地域づくりなども含め、広域で地域特性の異なる本道の特徴に合わせ、いくつかモデルケースを提示する意向だ。道の担当者は「高齢者だけでなく若い世代も呼び込むものにしたい」と話す。


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