札幌市は、予防保全型維持管理によるライフサイクルコスト低減を目指し、道路トンネル補修計画を策定した。補修対象トンネルとして14本を抽出。年間2億円程度を投入し、2018年度から順次施工する考えだ。16年度は白井(809m)、四ツ峰(1487m)の2本について詳細調査を予定。道路維持課が7月にも外注する。
同計画は、10年3月に策定した市の道路維持管理方針に基づき、市が管理するトンネル15本を対象に策定したもの。建設工法別に見ると開削が7本、NATMが2本、矢板が6本。これらの維持管理にメンテナンスサイクルの考えを取り入れ、長寿命化推進とライフサイクルコストの低減を図ることが狙い。
補修計画策定の一環で実施した健全性評価によると、トンネル15本のうち藤野(190m)が「健全」とされた以外、四ツ峰、烏帽子(294m)、小天狗(429m)、時雨(631m)、神威(129m)、白井、八剣山(760m)の7本は補修を急ぐ必要のある「早期措置段階」、残る創成(884m)、環状通エルム(730m)、石切山(95m)、南沢(90m)、小別沢(231m)、宮丘(60m)、平福(138m)の7本は、機能に支障はないものの措置を講ずることが望ましい「予防保全段階」と判定された。補修計画では、これら14本を健全まで引き上げることを目標に据えた。
補修工法は、トンネルに発生している変状から、剥落防止対策としての断面修復やひび割れ注入、当て板工、漏水対策としての止水剤注入、防水パネル工を施す。
16年度の詳細調査では白井、四ツ峰の2トンネルについて補修内容を絞り込み、費用を算定。17年度の実施設計を経て、18年度の着工につなげる。