札幌都心アクセス道路の整備で市が年度内の事業主体決定目指す

2016年06月03日 19時13分

 札幌市は、高速道路と都心をダイレクトに結ぶ創成川通の機能強化を図る都心アクセス道路の整備について、2016年度中に事業主体を決定する意向を3日の市議会総合交通調査特別委員会で示した。17年度からルートと構造の概略検討に取り掛かり、30年度末に予定される北海道新幹線札幌延伸に合わせた開通を目指す。

 同道路は、創成川通の札幌新道交差点から北3条通交差点まで約4㌔が対象。15年度に初めて調査費を計上し、現状の課題や整備効果を調査した。

 この結果に関連し、市は想定する整備形態として高架化、地下化、交差点改良の3案を提示。全区間を高架または地下構造で建設した場合、夏季で14分、冬季で17分かかっている都心から札幌北ICまでの移動時間が夏季で約8分、冬季で約10分短縮できる。

 いずれも渋滞や事故の改善効果が高くなり、時間信頼性が向上。特に地下は降雪の影響を受けないため、さらに時間信頼性が高まり、観光周遊や物流の効率化、救急搬送時間の短縮、防災機能強化といった効果も期待できる。一方、高架は沿道環境への配慮、地下は地下埋設物や河川の移設が必要になるなどの課題も挙げている。

 交差点改良の場合は、交差点ごとに対策を講じることが可能となるものの、アクセス性の向上効果が小さいことがネックとなる。

 16年度市は、予算1000万円で補足検討を実施。区間ごとの課題を把握し、整備範囲や区間ごとに形態を組み合わせた複数案を作成し、周辺道路を含めた交通の流れの変化をつかむ。

 札幌は都心から高速道路ICまでの距離が4・6㌔と福岡市の0・5㌔、仙台市の1・5㌔、広島市の0・3㌔に比べ遠い。アクセス性が弱いことから、札幌商工会議所を中心とする地元経済界は専用道路の整備を熱望している。


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