室蘭開建が日高自動車道厚賀ー新冠IC間で長大3橋を計画

2016年06月09日 19時12分

 日高自動車道の整備を進める室蘭開建は、厚賀静内道路のうち仮称・厚賀IC―仮称・新冠IC間の構造物で、2016年度に大狩部トンネルに取り掛かるほか、17年度以降に大節婦川橋など長大橋3橋の着工を予定している。WTO対象の大狩部トンネルは延長2151mで、インバートを含む内空断面を100㎡で計画。夏までに公告し、第2四半期の入札、第3四半期の着工を目指す。

 日高自動車道の整備は、道央方面との物流効率化、移動時間短縮、救急医療体制構築を目的として1988年度に事業化した。道央自動車道苫小牧東ICから分岐し浦河町に至る総延長120㎞のうち、日高門別ICまでの45・7㎞が供用されている。現在は同ICから先の門別厚賀道路14・2㎞と、厚賀静内道路15㎞が施工中だ。

 厚賀静内道路のうち厚賀IC―新冠IC間では、構造物として厚賀側から順に新厚別川橋(224m)、大狩部トンネル、大狩部橋(261m)、大節婦川橋(555m)、節婦川橋(335m)、稲荷川橋(102m)、神山川橋(144m)の整備を計画。

 このうち新厚別川橋は、15年度までに上下部とも施工を完了。15年度からは大狩部橋と節婦川橋の下部も推進している。16年度中はメーンの大狩部トンネルに着工。17年度以降、残る大狩部、節婦川両橋の上部のほか、大節婦川、稲荷川、神山川の各橋にも順次着手していく。

 大節婦川橋は7径間連続PC箱桁、逆T式橋台の壁式橋脚、稲荷川・神山川両橋は2径間連続PCラーメン箱桁で橋脚が壁式、橋台は稲荷川がA1が逆T式、A2がラーメン式、神山川がいずれも逆T式という概要。

 メーンの大狩部トンネルは、WTO対象の一般競争で一般土木を対象に公告し、16年度から5カ年の国庫債務負担行為として施工に取り掛かる。工法はNATMを採用し、起点側からの片押しを想定。工事規模は50億円以上、工期は54カ月を想定する。

 同トンネルは整備延長2650m、掘削延長2151mで、使用資材として覆工コンクリート4万1100m3、鉄筋190t、ロックボルト4万7200本、鋼製支保2400t、吹き付けコンクリート1万9500㎡を見込む。

 厚賀静内道路のうち新冠IC―静内IC間6㎞については、学識者、住民らで構成するPI(パブリック・インボルブメント)委員会で協議し、津波浸水予測範囲を回避するルートを基に事業を進める方向性を確認している。

 同開建は、従来の山側を通るルート案で1290mの静内トンネル、橋長430mの新新冠川橋などの整備を見込んでいたが、今後の検討次第で見直す可能性がある。


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