北洋銀行が6月29日発表した道内景気動向に関する調査結果によると、全産業の景気の現状を表すDIは、前年同期の調査時から18ポイント悪化しマイナス17となった。公共投資の先行き不安と個人消費の低迷で、10業種(その他を含む)中9業種がDIを下げた。
道内の取引先710社を対象に5月中旬から6月中旬にかけて調査し、58.5%に当たる415社から回答を得た。調査を担当した北海道二十一世紀総合研究所は「消費税増税の延期により、個人消費の先行きが見えず不安視する企業が多い。今回の調査で初めて、人口減少で景気回復が難しいという声も出てきた」と総括している。
道内景気の現状を尋ねたところ、全体の25%が「悪化している」とし、「回復している」8%を上回った。残りの67%は「横ばい状態」とした。回復時期については「2016年度中」が35%、「17年度中」が26%、「18年度以降」が39%となり、慎重な見方が多かった。
業種別DIは、製造業が前年同期比15ポイント悪化のマイナス17、非製造業も19ポイント悪化のマイナス17となった。
製造業は、補正予算と16年度当初予算で工事量が一定程度を確保しているとし、鉄鋼・金属製品・機械が前年同期を13ポイント上回るマイナス8となり、全業種で唯一改善。木材・木製品は消費税増税の延期で住宅販売の先行きが見えないとの判断から19ポイント悪化のマイナス24となった。
非製造業の建設は、これまでプラス水準を維持していたが、今後の公共投資の不安から19ポイント悪化しマイナス17。卸売は11ポイント悪化のマイナス26、小売は26ポイント悪化のマイナス23とそれぞれ下がった。改善傾向にあった観光関連のホテル・旅館も地方の観光業で訪日外国人効果を得ていないとし、20ポイント減のマイナス6と悪化している。
先行きへの懸念材料は、国内景気、個人消費、公共投資、原油価格、原材料価格、雇用の動向の順に多い。国内景気は3期連続で比率が高まっている。建設業は公共投資、国内景気、個人消費の順で高い割合を占めた。