釧路川水系の洪水浸水想定区域見直し-新釧路川流域は1.6倍に

2016年07月04日 19時28分

 釧路開建は、釧路川水系の洪水浸水想定区域を見直した。浸水面積は、釧路市街地を流れる新釧路川流域で1・64倍の14・9平方㌔mに、釧路川流域の弟子屈町で9・89倍の8・9平方㌔mとなった。平たんな地平を流れる新釧路川流域では氾濫の危険性は少ないものの浸水面積が広がり、急斜面を流れる釧路川では、浸水面積がさほど広くないものの氾濫による家屋倒壊などの危険性が高まる結果となった。

 同開建は、2015年度の水防法改正を受け洪水浸水想定区域を、これまでの計画降雨量1200㌧から最大規模2100㌧で再計算した。

 また、これまであった浸水面積と最大浸水深の指標を見直したほか、新たに浸水してから50cm以下になるまでの時間を示す最大洪水継続時間と、河岸浸食が起きた場合と堤防が決壊し河川が氾濫した場合に木造家屋が倒壊する危険性があることを示す家屋倒壊等氾濫想定区域を策定した。

 浸水面積では、新釧路川流域の右岸側で大型商業施設のある昭和などの地域、左岸側は新富町などの地域に浸水面積を拡大。釧路川流域では、弟子屈町で8・9平方㌔m、標茶町で33・1平方㌔mとなったものの新釧路川流域に比べると比較的面積は小さい。

 最大浸水深は、新釧路川流域で国道44号の旭アンダーパスで4・6mを、釧路川流域では弟子屈・標茶の町境付近で7・7m、8mを想定しているがいずれも市街地からは離れている。

 最大洪水継続時間を見ると、湿原を除く釧路外環状道路の内側で、釧路町木場などの川沿いで最大272時間が見込まれる。逆に、釧路川流域では急斜面を流れる影響を受け、標茶町で最大90時間と短くなった。

 河岸が浸食された際にあふれた水が木造家屋に倒壊などの影響を与える河川敷地境界からの想定区域最大幅は、新釧路川流域の左岸で河口から昭和町2丁目にかけて最大40mを試算。釧路川流域では国道243号と国道391号の交差点付近で最大210mを想定している。

 堤防が決壊して起こる氾濫流が木造家屋に与える影響範囲は、新釧路川流域では30mと幅は狭いものの、釧路川流域では弟子屈町の市街地上流部で210mなどが想定されている。

 今回の洪水浸水想定区域は、同開建や釧路総合局、釧路川流域の自治体5市町村で組織する釧路川減災対策部会でハザードマップや避難計画などを策定する際の参考資料となる。


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