岩田地崎建設は19日、JR東海が発注したリニア中央新幹線の第四南巨摩トンネル新設西工区を共同体(JV)で受注した。道内建設業者によるリニア中央新幹線のトンネル工事受注は初めて。工期が約10年間と長期間にわたり、断面積が300m²を超える難工事に、新幹線など道内外のトンネル工事で培った岩田地崎建設の技術力が挑む。
西松建設・青木あすなろ建設・岩田地崎建設JVが19日付でJR東海と契約を結んだ。JR東海は契約額を公表していない。
工事場所は山梨県早川町。第四南巨摩トンネルは全長約8・6㌔で、このうち西側の約2・6㌔区間を担当する。非常口と保守基地連絡坑などの施工も担う。
土かぶりが500m以上、断面積は300m²以上で「高度な施工技術を必要とする工事」(JR東海広報部)。工期は2026年5月まで。
岩田地崎建設は、旧地崎工業が旧日本鉄道建設公団発注のリニア実験線高川トンネル(西)をJVで1990年に受注している。リニアのトンネル工事を請け負うのは2件目。
着工から約2年でJR東海が契約済みの山岳トンネルは4件目と、工事は始まったばかり。岩田地崎建設は「今回の受注を足掛かりに、機会があれば他の工事も受注したい」と述べ、リニア中央新幹線工事のさらなる受注に意欲を示している。
JR東海は、計画する品川―新大阪間のうち、先行して工事を進める品川―名古屋間の認可を国土交通省から14年に受けた。この区間は、工事延長286㌔、総事業費5兆5235億500万円で、27年の開業予定。延長の約86%がトンネル区間となっている。