厚岸漁港に屋根付き岸壁-耐震化など合わせ整備規模拡大

2016年07月26日 19時14分

 釧路開建は、厚岸地区特定漁港漁場整備事業として工事を進める厚岸漁港で、2017年度以降に屋根付き岸壁やマイナス5・5m岸壁改良などに着手する。北海道開発局が20日に開いた事業審議委員会で屋根付き岸壁幅の拡大や岸壁耐震化の増額などが認められたため、事業費は149億5000万円に増額する見込みだ。事業期間は22年度までと当初からの変更はない。

 厚岸町湖南・湖北地区に位置する同漁港はサンマ棒受け網漁業やコンブ類を主に取り扱う第3種漁港。12年の港勢調査では、登録漁船769隻、外来漁船を含む利用漁船が822隻で、陸揚げ量は2万9343㌧と全国でも有数の流通拠点として機能している。

 しかし、現在はカモメなどの鳥類が行き交う野天での陸揚げ作業で、水産物を衛生的に取り扱うことが困難な状況にある。さらに陸揚げ箇所の背後地が狭く、漁の最盛期には多数の車両が集中し、危険で非効率な作業を強いられている。

 さらに、11年に発生した東日本大震災では、津波の影響で漁船の流出や陸上施設の浸水などが発生。防災対策の強化も課題となっている。そこで、所管する釧路開建は13年度に事業化。安全・安心な水産物供給体制の構築に向け漁業の拠点機能を湖南地区に移すことになった。

 整備内容は第2ふ頭に衛生管理強化を目的とした延長約400mの屋根付き岸壁やそれに伴うマイナス4・5m、同5・5m岸壁の改良、人工地盤整備、岸壁老朽化対策や背後集落安全確保のための津波漂流物対策施設を設置する。

 20日の事業審議委員会では、効率的な漁業活動のために当初20mだった屋根付き岸壁の幅を35mに拡大するため5億5000万円、事業開始時点で盛り込まれていなかった岸壁の耐震化に5億6000万円、外来船受け入れ強化に向けた泊地や除波堤の整備に14億4000万円を追加した。

 16年度はマイナス4・5m岸壁(156m)の地盤改良のほか、上部改良にも着手、また、老朽化対策としてエプロン舗装打ち換えなどに9億7000万円を投じる。17年度以降はマイナス5・5m岸壁(279m)の上部打ち換えや矢板の腐食対策などといった改良、屋根部分への着工、人工地盤整備に順次、着手する。


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