上川総合局産業振興部が所管する2016年度道営農業農村整備が12年ぶりに100億円規模の事業量を確保したことに伴い、6月末時点の発注額も大幅に伸びている。3月に入札したゼロ国債や翌債を含めた執行ベースで見ると、工事は前年度同期の約2・3倍となる60億7300万円を発注。1件当たりの発注ロットも1・8倍の1億円台となった。TPP(環太平洋連携協定)関連対策として、農業整備予算が増加したことが大きく影響している。
随意契約を除く開札結果(税抜き)を本紙が集計。15年度末発注のゼロ国債と翌債は全額計上した。
TPPの大筋合意を受けて編成された15年度補正では、北海道開発事業費の補助分として道営農業農村整備に463億円が措置された。このうち、上川総合局は当初予算を大きく上回る58億4800万円が配分され、最多の空知に続く手厚い補正となった。
上川総合局の道営農業農村整備事業費の近年の推移を見ると、16年度当初予算は43億4600万円。15年度補正を合わせた執行ベースは101億9400万円となり、04年以来12年ぶりに100億円の大台に乗った。11年度以降の執行ベースと比較しても、1・6―2・3倍の大規模編成であることがうかがえる。
16年6月末時点の工事発注状況は、56件、60億7300万円で、前年同期に比べ件数が14件、受注額は34億7625万円それぞれ増加。高額案件については2億円台が3件、1億円台が11件と、前年同期の2億円台1件、1億円台5件から大幅に増加し、発注ロットも1・8倍の1億845万円に拡大した。
一方、委託は81件、11億7607万円で、20件、5億9052万円それぞれ増加して2倍の伸び率を示した。高額案件は、3000万円台2件にとどまっていた前年同期とは打って変わって、5000万円台1件、4000万円台3件、3000万円台4件となり、発注ロットは1・5倍の1452万円まで増えている。
補正により予算、発注額ともに大幅な増加を示しているが、今後も8月2日に閣議決定する経済対策に伴う補正予算に農業農村整備費の計上が見込まれていることから、予算の安定的確保は当面続きそうな状況だ。