上位50社総額は微増1570億円-4-6月のゼネコン道内受注高

2016年08月04日 19時15分

 北海道建設新聞社は、2016年度第1四半期(4―6月)のゼネコン道内受注高ランキングをまとめた。首位は唯一、100億円台に乗せた中山組。調査の集計方法を暦年から年度に変更した07年度以来、各四半期集計で初めてトップに立った。2位は民間建築が最高額だった岩田地崎建設で、3位には伊藤組土建が入った。上位50社の受注総額は1573億8600万円で、前年度同期に比べ0.3%の微増。民間土木が約半減したが、前年度に大きく落ち込んだ官庁土木が1割回復し、民間建築も12年度同期からの復調傾向が継続しているため、前年度と同程度の受注環境となった。全262社の平均受注額は10億4600万円。(8月5日付本紙1面に上位50社、8-9面に51位以下の一覧を掲載しています)

 上位10社は、本州大手3社と道内7社という内訳。前年度同期に比べて伊藤組土建と道路工業が11位以下から上位10位にランクアップした。

 初めて首位となった中山組は前年度同期の4位から上昇。これまでの最高額となる104億5100万円を受注した。大型民間物件のニセコアルパインデベロップメンツ「Maples」新築を射止め、民間建築で2位に躍進。官庁土木で石狩川改修の内晩翠遊水地南9線下流周囲堤、民間土木でも環境エンジニアリングの第5号管理型最終処分場を獲得した。

 前年度同期1位だった岩田地崎建設は、94億2200万円で2位。札幌田中病院新築やクリーンリバーフィネス静修学園前新築、アンヌプリPJの仮称「the kamui niseko」新築などを積み上げて民間建築で首位となり、官庁建築でも札幌市の中央中学校改築主体を共同体のメインで受注して2位につけた。

 3位の伊藤組土建は、前年度同期に比べ7割以上の受注増となる71億5200万円で、前年度同期の11位から大きく伸ばした。テスコの一般廃棄物中間処理施設建設やキロロトリビュートポートフォリオホテル北海道改修を単独で受注し、泊発電所総合寮新築を共同体で請け負った。

 大成建設が受注額66億5200万円で4位。データセンターの実装工事や改修などを受注している。

 宮坂建設工業は前年度同期の7位から5位に。受注額は64億3700万円。官庁建築で中札内村村民プール建築主体、官庁土木で石狩川改修附帯工事の内島松川南9号橋旧橋撤去を落札し、民間建築でも社会医療法人北斗介護老人保健施設新築、横浜冷凍の仮称ヨコレイ十勝ソーティングスポット新築、ジョイフルエーケー大麻店新築などを射止めた。

 6位の大林組は58億6900万円を受注。民間土木と民間建築の受注が半々で、清水鋼鉄の苫小牧製鋼所製品加工場新築を受注している。

 丸彦渡辺建設は52億200万円の受注で7位となった。民間建築で北海道マツダ販売本社新築やBAKE北海道工場新築を獲得した。

 8位は50億3500万円を受注した岩倉建設。苫小牧港西港区岸壁西マイナス9m改良鋼管矢板打設その他など官庁土木の港湾工事などを積み上げ、同部門でトップとなった。

 鹿島は47億9000万円で9位。商業施設のリニューアルやエネルギー施設の新設が主な物件。

 10位の道路工業は44億6500万円の受注で、前年度同期の13位から上位10社入り。石狩川改修工事の内幌達布砂浜築堤外天端保護や日高自動車道日高町旭町舗装外一連などを単独受注し、共同体メインで北海道横断自動車道訓子府町常盤沢舗装などを請け負っている。

 11位以下を見ると、田中組が官庁建築でトップに立ち、前年度同期の35位から12位につけた。道内企業は17位の川田工業、31位の上田組など11社が前年度同期の51位以下から上昇し、50位以内の道内企業は前年度同期の28社から36社に増加した。

 分野ごとの上位5社は、官庁土木が①岩倉建設②道路工業③中山組④地崎道路⑤松本組、民間土木が①大林組②NIPPO③鹿島④日本道路⑤鉄建建設、官庁建築が①田中組②岩田地崎建設③中井聖建設④田端本堂カンパニー⑤丸竹竹田組、民間建築が①岩田地崎建設②中山組③大成建設④伊藤組土建⑤宮坂建設工業―となっている。

 50社の受注総額は1573億8550万7000円で、前年同期比0.3%の増加。民間は、ニセコでの海外資本の投資や道央圏を中心とした民間企業の設備投資などが続いていて、上位企業はそれらの大型物件を獲得している。建築と土木合わせた受注額は3年連続で1000億円を超えた。

 また、官庁は、当初の北海道開発予算が微増にとどまる中、国を中心に早期発注が図られたことから、第1四半期の官庁工事は多少回復。その結果、半減した民間土木を補う形となり、受注総額は前年度並みを確保した。

 しかし、07年度以降、最高額を記録した14年度同期に比べると15.3%の減少で、リーマンショック前の08年度の水準だ。総額の内訳は、官庁が8%増の534億5466万5000円、民間が3.2%減の1039億3084万2000円。

 土木の合計は、民間が大きく落ち込んだ影響から10.5%減の552億4275万7000円。内訳は官庁が11.2%増の421億5241万1000円、民間が45.1%減の130億9034万6000円となっている。建築の合計は7.4%増の1021億4275万円で、官庁が2.2%減の113億225万4000円、民間が8.7%増の908億4049万6000円という内訳。

 51位以下を含む1社当たりの平均受注額は前年度同期を9%上回り、10億円台に復活した。


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