和寒町が塩狩峠周辺整備を検討-観光利用視野に10月までに素案

2016年08月08日 19時35分

 和寒町は、比布町との境界に位置する国道40号塩狩峠周辺の整備を模索している。旧塩狩温泉跡地などのJR塩狩駅周辺から夫婦岩、南丘森林公園までの範囲が対象。現在は、有識者8人で構成する塩狩峠・夫婦岩整備検討委員会で、観光利用も視野に入れた有効活用策を検討しており、10月までに整備計画の素案をまとめ、早ければ2017年度から一部事業に着手したい考えだ。

 塩狩峠のシンボル的存在だった旧塩狩温泉は民間企業が運営していたが、06年度に閉館。その後は買い手が付かず、放置されたままの状態だったため、町が15年度に跡地を購入し、建物を解体していた。同年度には観光資源化を目指して夫婦岩周辺の土地も取得しており、検討委員会の中で両地を含む地域一帯の有効活用について考えていく。

 塩狩駅周辺には、毎年、5月になると多くの観光客が訪れる一目千本桜をはじめ、三浦綾子の著作『塩狩峠』の資料などを展示する塩狩峠記念館、小説の登場人物のモチーフとなった長野政雄の顕彰碑など観光名所が多く存在。塩狩ヒュッテユースホステルも立地し、周辺地域の中心的な役割を果たしている。

 また、塩狩駅周辺地域と夫婦岩までは1周約14㌔のフットパスが整備され、南丘森林公園までは片道約6㌔の舗装路でつながっている。

 検討委員会は6月から3回開かれ、塩狩駅と夫婦岩などを視察。これまでには不足しているトイレの設置や、南丘森林公園までの既存舗装路をサイクリングロードとして利用できないかといった意見が挙がっている。

 今月5日には3回目の委員会を実施。奥山盛町長ら町職員と委員8人が比布町方面へ伸びる旧国道40号、道路に並走するJRの線路や高台にある民間の牧草地を見て回り、現状把握に努めた。

 町は今後、各地区で開催している町政懇談会を通じて、町民から意見を募り、整備計画に反映させていく考え。検討委員会は10月までにあと2回の開催を計画している。


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