札幌市下水道河川局は、積雪路面での段差発生を抑えるため、新たな断熱マンホールふた開発に向けた共同研究者を募集する。9月9日まで受け付け、要件を満たす4者を上限に選定。既存製品より安価で、維持管理性や断熱性能の高い新製品開発を目指す。
札幌市内には、約21万カ所のマンホールがある。一方、年間降雪量が約6mに上るという気象条件に対し、下水の温度は15―20度と一定のため、マンホールのふたに積もった雪が解けて路面との段差が生じてしまう。
車の破損につながるなどとして以前から市民の改善要望が多く、市も下水熱の放出を防ぐ断熱マンホールふたの設置を2001年から年間350―400カ所程度で進めてきたが、年間予算が限られ、マンホール設置数も膨大なことから、全てに対応するには長い期間を要する。
今回は、断熱ふたの設置箇所拡大を図るため、維持管理性や一定の断熱性能を確保しつつ、既存製品よりも低コストな製品を、共同研究者の技術やノウハウを活用して開発・研究する。
共同研究者が担う業務は、断熱ふたの検討、設計、製作。市が求める要件として①資材価格調査で定めた税抜き製品単価(勾配受け型7500円、平受け型1万600円)より安価であること②点検時の取り外しが容易など維持管理性を考慮した素材や設計③融雪時の許容段差を10cmまでとし、一定の断熱性能を有する―の3つを定めている。断熱材と一体ではない、2重ふた方式の開発が前提だ。
市は、共同研究者が製作・提供した製品の断熱性能評価を担当。指名競争で業務を発注し、結果は共同研究者にフィードバックする。
参加要件は①国、地方自治体、これらの関係機関②①に準じた公的な研究機関③大学等教育機関④市の行政目的に寄与できる技術などを持つと判断される民間企業または団体。共同研究期間は、9月下旬から17年4月28日までを予定し、11月までに製作、12月に設置、追って解析業務に着手といったスケジュールを見込む。
応募関係書類は、市ホームページからダウンロード可能。9月中旬に市職員で構成する共同研究審査会を開き、安価製品である、維持管理性考慮、一定の断熱性能、研究体制などの基準で選定する。
問い合わせ・申請書提出は、同局総務部下水道計画課技術開発係、電話011(818)3441まで。