北洋銀行は29日、2016年度の道内経済見通しを発表した。円高の進行や消費税増税が再延期となった影響などにより、昨年12月発表の前回予測を0.4ポイント下回るプラス0.6%の実質成長率を見込んでいる。
物価変動の影響を考慮した名目成長率はプラス0.9%とした。16年度の道内総生産(名目値)は、15年度実績を約1800億円上回る18兆7822億円を予想している。
16年度の道内経済は、国の大型経済対策で公共投資が前年度よりも伸びることが予測されるため、個人消費、民間住宅、設備投資が緩やかに持ち直すとみる。
個人消費は、外国人観光客の「爆買い」に沈静化が見られ、百貨店の販売が低迷するなど一部で弱い動きがあるものの、雇用・所得環境は改善しており、実質所得の上昇も見込まれることから持ち直し基調が続くと判断。実質でプラス0.3%、名目でプラス0.4%の成長を見込む。
住宅投資は、日銀のマイナス金利政策の影響による低金利を背景に、貸家は好調なものの、持ち家は消費増税再延期を受けて新たな駆け込み着工は見込めず鈍化すると予測。加えて、分譲マンションは札幌都心部を中心に価格上昇が鮮明となり成約状況の低迷が続いているため、成長率を実質でプラス0.4%、名目でプラス0.5%になるとする。
設備投資は、北海道新幹線の開業や外国人観光客の増加に対応したホテル新築・改装が札幌市をはじめ道内の観光地で続いているほか、製造業の能力増強投資なども見られているため、実質でプラス0.2%、名目でプラス1%それぞれ成長すると予測した。
公共投資は、前回の調査に反映できなかった大型経済対策を考慮したことで、実質でプラス0.2%、名目でプラス0.7%の成長率になると修正した。