札幌市スポーツ局は2019年度に麻生球場、20年度に円山球場で、スタンドの防水やベンチ更新、外壁改修を計画している。スタンド防水改修などに要する事業費は、最大で数億円規模に上るもよう。いずれも施設を閉鎖し、単年度で施工する方針だ。具体的な工法は設計段階で詰める。
麻生球場は北区麻生町7丁目に位置し、1980年に完成。グラウンドは両翼92m、中堅111mとなっている。内野スタンド席4350席、外野芝生席7650席、合わせて1万2000席を持つ。ベンチは全てが更新対象となる。
円山球場は中央区宮ケ丘3にあり、円山競技場や円山動物園が隣接する。現在の形で整備したのは74年。97年から1、3塁側スタンドのベンチ改修や、エレベーター設置といった身障者対応を施した。今回、これらのベンチも含む全てを更新するかは、老朽化度合いによって判断する。両翼98m、中堅117m。席数は内外野スタンド席1万500席、外野芝生席1万4500席の計2万5000席となっている。
道内各地の野球連盟などが加盟するNPO法人北海道野球協議会は、ナイター施設がないことにより日中の施設利用が過密化している実態を指摘し、照明付き野球場の整備を要望。
しかし、麻生球場は住宅街にあるため周辺住民の住環境を考慮する必要があり、円山球場は隣接する動物園の動物に刺激を与えないことに加え、風致地区に指定されている関係で高さ制限があることなどを理由に、市は照明設備を設置しない考え。
施工年度は同協議会と協議の上、全国大会など大きな大会の開催予定がある17、18年度を避けて調整した。