宗谷管内で大雨被害-稚内市内で氾濫、利尻島も記録的雨量

2016年09月06日 19時19分

 宗谷管内は、5日夜から降り続いた低気圧や前線に伴う大雨で、稚内市内を流れるクサンル川が氾濫し、市内中心部を通る40号が冠水して通行止めになるなど各地で被害が出た。利尻富士町と利尻町では、1時間当たりの雨量が最大約50㍉を記録。6日午後5時時点で、道道では離島を含め7路線7区間で通行止めとなっている。

 稚内市は、午前8時15分に災害対策本部を設置し、その後市内全域に避難準備情報を発令して、被害状況把握などの対応に追われた。午前9時ごろには、市内中心部を流れるクサンル川が氾濫し、市道の一部が冠水。一度水は引いたが、その後も強く降った雨でクサンル川が再度氾濫し、付近の道道稚内天塩線などが冠水して通行止めにした。港地区を流れるチララウスナイ川でも氾濫し、中央地区や緑地区の道路で冠水被害が出ている。

 また、市内若葉台地区や萩見地区では一時的に雨水が下水道に流れ込み、処理対応量を超えたため水洗トイレなど生活排水が流れにくい状況となり、応急復旧を急いだ。市内でバスを運行する宗谷バスは午後2時30分に天北宗谷岬線以外の市内全線の運休を決めた。

 稚内開建は、現地情報連絡員(リエゾン)を稚内市、宗谷総合局、利尻町、利尻富士町に派遣し、情報収集を進めている。40号は、稚内駅の近くにある稚内サンホテルの区間、港5丁目から潮見方面の4㌔の区間で冠水による通行止めを実施。深いところでは、膝下までの深さまである。維持業務を担当する錦産業や豊成建設・佐々木組地域型共同体などが流出した水や流木などの処理に追われた。中心部を走る40号の通行止めで、迂回(うかい)路となる道道や市道は渋滞で一時混雑した。

 利尻町では、町道の一部で道路陥没などの被害が出たほか、礼文町でも桃岩地区にある遊歩道などで小規模な土砂崩れが発生している。気象庁によると、5日午後9時から6日午後3時までの雨量は、稚内市開運で186㍉、利尻空港で162㍉、利尻町沓形で156・5㍉などを記録し、土砂災害や河川の増水・氾濫などへの厳重な警戒を呼び掛けている。


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