大雨被害が道内業況に悪影響ー日銀短観、建設は資機材不足も

2016年10月04日 19時11分

 8月の台風に伴う大雨災害が、道内企業の業況感に影響を与えている。日銀札幌支店が3日発表した企業短期経済観測調査では、台風の影響でキャンセルが相次いだ観光関連などでマイナス影響が表面化。甚大な農地被害に食品加工で原料確保への不安は強い。災害復旧に伴い、工事量はさらに増加が見込まれるが、建設分野は人手や資機材不足への懸念が高まっている。

 調査は台風被災直後に行われ、日銀でも企業の業況感に影響を与えているとみる。企業の業況感を示す道内全産業の業況判断DIは1ポイントの小幅ながら1年ぶりに悪化し、プラス5となった。

 杉本芳浩支店長は業況はゆるやかな回復基調にあるとした上で、悪化の一因を台風被害とし「影響は農業、運輸、観光に広がっている」と説明。農業被害による食品加工業の原料不足など、台風被害の産業波及を懸念材料に上げた。

 観光関連は訪日外国人増加の一服感に加え、台風の影響で宿泊キャンセルで業況感が悪化。道東の観光地を中心に影響が出ており、宿泊・飲食サービス、旅行関連を含む対個人サービスで業況感を大きく後退させた。

 一方、物品賃貸は大幅改善でプラス超に転じた。北海道新幹線効果によるレンタカー需要の伸びも要因の一つだが、災害復旧により資機材のリース、レンタル需要が広がるとの見方が業況を押し上げている。

 建設分野は、潤沢だった公共工事量に災害復旧費が加わり、先行きは人や工事用資機材、重機の不足に懸念を強めている。雇用人員判断DIは建設業を含む非製造業でマイナス30と大幅な不足超で1992年のバブル期並み水準。先行き、さらに不足感が強まると予想する。

 台風被害の影響について企業側の反応を聞くと、レンタル大手のカナモトは「地元企業として一日も早い復旧に最大限貢献したい」とした上で「帯広や旭川方面で機械やユニットハウスの不足感が強まる状況にある」と説明する。

 別のレンタル会社は「応急復旧は一服したが、稼働が前年を大きく上回り仮設や機械、鋼材が不足傾向。年明けから本復旧が見込まれ、総動員で対応したい」と話す。

 資材の供給要請も強まる見通し。コンクリート製品企業は、調査中の被害の本復旧が年末から年度末にかけて本格化すると予想。業界団体の北海道土木コンクリートブロック協会は「社会的使命を果たすため本復旧に対応できる供給体制を整えたい」とする。

 ただ別の関係者は「被害の様子から相当量の注文が予想される。早い復旧は重要だが、円滑な供給には一般工事も含め平準化が鍵になる」と見通しを示した。


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