政府の2016年度第2次補正予算が11日の参院本会議で可決、成立し、北海道開発局は補正予算の概要を公表した。事業費総額は512億6800万円。客船が着岸できる新たな岸壁を若松地区に整備する予定の函館港に関連予算6億3000万円を計上。河川改修には札幌開建の石狩川下流に30億6400万円、十勝川に14億9900万円を配分した。道路は38号富良野道路に8億3000万円を措置した。
開発局は関連工事、業務の発注に向けた手続きを始める。年度内に工期を設定した工事や業務については、近く発注見通しを公表した後、公告を開始する。ただ、年度内に完了できる工事は少ないとみられる。一方、年度内に契約して、工事を17年度に繰り越す翌債は、承認の手続きが完了次第、発注見通しを公表する。
16年度第2次補正予算は、建設国債などを財源として、国土交通省で1兆831億円、農林水産省で2863億円などの公共事業関係費を計上した。北海道開発事業費には国費956億円を追加。このうち事業費の内訳は直轄523億円、補助861億円となる。
災害対応の強化やインフラの老朽化対策では、防災・安全交付金に2554億円を計上しているほか、農業用水路・ため池などの耐震化(農業農村整備事業)に500億円、医療施設の耐震化に224億円などを計上。熊本地震からの復旧・復興にも4139億円を盛り込んだ。
21世紀型のインフラ整備も推進する。外国人観光客4000万人時代に向けたインフラ整備として、大型クルーズ船の受け入れ環境改善などに267億円、訪日外国人旅行者受入基盤整備・加速化事業に155億円、国立公園満喫プロジェクト等推進事業に103億円を計上した。