道森林管理局は12日、上士幌町の十勝西部森林管理署東大雪支署でドローン操作の講習会を開いた。同署職員のほか、十勝東部署や近隣町村の林務担当者ら30人が参加。8月の台風で被災した森林調査での活用に期待が高まる。
同局では風倒木などの被害や林道の状況調査に活用するため、2015年からドローンを導入。操縦方法を普及するため、各森林管理署で講習会を進めており、一連の台風被害調査では6署がドローンで空中撮影した。
講習会は1時間程度の座学と実技で構成。座学では安全な飛行条件や方法、航空法での規制について学習した。その後の実技では、機体の組み立て方やコントローラーの操作について説明を受け、参加者ら一人一人が実際に飛ばした。
あっという間に機体が頭上高くへ飛び立つ様子に、これは便利だと参加者らも大きくうなずく。最大高度は航空法で許可の要らない150mまでとなり、飛行距離は目視できる範囲なので500mほどが限界。同局の担当者は「実際の山は視界が悪く、すぐに見失ってしまう」と助言。
コントローラーのレバーを軽く倒すだけで上昇下降が自由自在と操作は簡単だ。水平移動は最大で時速60㌔近くのスピードが出るため、加速に注意が必要。操作していない間は自動的に空中で停止するので、方向の確認や微調整も焦らずできる。本体下部についたカメラで写真や動画を撮影する仕組みだ。
実際に操作してみると、クレーンゲームのようで位置を調整するのが意外と難しいが、約50m上空からの景色はぶれが少なく鮮明だったようだ。
将来的には写した画像や動画から立体的に高さなどを測定することも可能になり、今後は災害調査だけでなく、日常業務でも活用の幅が広がる。同局の担当者は「操作に慣れて、新しい使い道をどんどん提案してほしい」と話す。
相沢伴軌東大雪支署長は「ドローンの活用を通じて、国有林だけでなく、民有林とも連携し、より良い森林整備に生かしていきたい」と期待を寄せた。同署では来週にもドローンでの調査を開始する予定だ。