1日付で札幌商工会議所の新会頭に就任した岩田圭剛氏が札幌グランドホテルで記者会見し、「パワーアップ!札幌」と銘打った基本方針で、地域活力を生み出す4つの取り組みを進めていくと所信表明した。札幌冬季五輪招致や北海道新幹線の早期札幌開業の実現など、札幌と道内経済を発展させるために最善の努力を尽くすと意欲を示した。
岩田新会頭は、最近の道内経済に関して「緩やかに回復しているが、長期的に見ると人口減少による市場の縮小などが控えており、将来を見据えた政策が必要」と指摘。そうした中で、札幌がリーダーシップを発揮して北海道全体の活力を導くことが重要であるとの認識を提示した。
その札幌の経済を活発化するため、新会頭として4つの視点から事業を展開していく。1つ目は地域活力の向上に挑むための成長分野を中心とした産業を興し、2つ目は新幹線札幌延伸などの魅力ある札幌都市の形成、3つ目は人材確保や育成の支援、4つ目は札商会員企業のビジネスチャンスの拡大・創出に取り組むと要点を解説した。
中でも、高向巌前会頭が先頭に立って進めてきた新幹線札幌延伸に向けた施策については、「一日も早い札幌開業の実現は経済効果の面からも大変重要」と見ており、引き続き力を入れていくと強調。開業に合わせて今から、札幌駅周辺の再整備や都心アクセス道路の整備などの事業も戦略的に進めていく必要があるとの考えを明らかにした。
このほか、記者から、プロ野球北海道日本ハムファイターズの新球場構想に関する質問が挙がると、岩田新会頭は「札商は札幌ドームの構想段階から関わっている。できればドームを活用してほしい」と述べ、これまで通りドームでの活躍を期待し、移転を見合わせるよう示唆した。