札幌市白石区複合庁舎が7日供用-市有施設初の免振工法

2016年11月02日 19時07分

 札幌市の白石区複合庁舎が7日に供用開始を迎える。市有施設では初めての免震工法を採用したほか、防災拠点としてさまざまな機能を備える。1日に実施した内覧会の様子を基に、施設の一部を紹介する。

 建設地は、白石区南郷通1丁目南8の1に新築。規模はRC・SRC・S造、地下2地上7階、延べ1万6155m²となっている。概算で、用地取得費に12億5000万円、設計・監理費などに1億7000万円、工事費に63億7000万円を投じた。地下鉄白石駅の6番出入口と直結。本郷通3丁目北1の1にある現庁舎に比べ、アクセス性は格段に向上する。

 区役所、保健センター、区民センター、ちあふる・しろいしなどが集約され、災害時には地域の防災拠点となる。

 地震に備え、柱頭免震構造を採用。地下1階フロア全体に免震装置を配置した。免震ゴム自体は金属製の覆いをかぶせられているため見ることができないが、積層ゴムアイソレーターを10カ所、鉛プラグ入り積層ゴムアイソレーターを20カ所取り付けている。

 このほか、油圧により揺れを抑えるオイルダンパーを10カ所、直動転がり支承を17カ所に設置。担当者によると、これらの装置により、震度6―7の地震でも室内では震度3―4程度に抑えることができるという。

 防災拠点機能として、ちあふるの園庭地下には100m³の貯水槽を備える。緊急遮断弁を閉じれば、約1万1000人が1日3㍑の水を3日間使用できる量を確保。一方、下水関係では、環状通側の敷地にマンホールトイレを5基用意した。

 電力確保に関しては、地下2階部分に8000㍑の燃料貯蔵庫を用意。庁舎は浸水が想定される地域に位置するため、7階に据え付けた発電装置にポンプアップで燃料を送り、庁舎で通常使用する電力の約3分の1を3日間賄うことができる。

 環境負荷低減の取り組みでは、温度差を利用した地中熱冷暖房設備や、CO2排出量が比較的少ない木質バイオマス燃料の暖房設備を採用した。


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