上半期のゼネコン道内受注高、上位50社で7%増-3000億円には届かず

2016年11月04日 19時09分

 北海道建設新聞社は、2016年度上半期(4―9月)のゼネコン道内受注高ランキングをまとめた。首位は223億9900万円を受注した岩田地崎建設。唯一、200億円台に乗せ、上半期としては4年連続の首位となった。2位は官庁土木がトップの鹿島で、宮坂建設工業が3位につけ、上位3社の顔触れは前年度同期と同じ。前年度同期に21位だったNIPPOが7位に躍進している。上位50社の受注総額は2981億8500万円で、前年度同期比7%、約196億円の増加。わずかに3000億円台に届かず、2年連続して2000億円台にとどまった。官庁土木が約2割増となっている一方、官庁建築が2割近く落ち込んでいる。全267社の平均受注額は13.4%増の19億5600万円で、こちらも20億円台に届かなかった。

 上位10社は道内企業と本州大手が半々という内訳。前年度同期と比べると、11位以下から2社がランクインした。

 1位の岩田地崎建設は、第1半期(4―6月)から130億円上乗せして223億9900万円とした。前年度同期を10.2%、25億円下回っているが、暦年から年度集計とした07年度以降で見ると、13年度の253億円、15年度の249億円に次ぐ金額。第2四半期(7―9月)はSkye Niseko新築や厚岸漁協の貯氷・冷蔵保管施設整備建築、すてきナイスグループの苫小牧物流センター新築など民間建築が伸び、同部門の1位となった。官庁土木では札幌開建の幾春別川総合開発事業新桂沢ダム堤体建設第1期を共同体のサブで受注した。

 鹿島は186億8600万円で、第1四半期の9位から2位に伸びた。幾春別川総合開発事業新桂沢ダム堤体建設第1期と室蘭開建の日高自動車道新冠町大狩部トンネルの2件をいずれも共同体メインで落札するなど、第2四半期に官庁土木を約100億円上乗せし、同部門の1位に躍り出た。

 3位の宮坂建設工業は165億7100万円。第1四半期の5位から2ランク上昇した。日高自動車道新冠町大狩部トンネルを共同体のサブで受注したほか、民間建築でジョイフルエーケー大麻店を射止めた。官庁土木と民間建築の両部門でいずれも2位につけている。

 伊藤組土建は123億6500万円で4位に入った。幾春別川総合開発事業新桂沢ダム堤体建設第1期を共同体サブで受注。民間建築で横森製作所北海道支店・工場新築やアスティ45昇降機改修などを積み上げた。

 07年度以降の集計で第1四半期に初めてトップに立った中山組は5位に下がったものの、受注額は120億6500万円に伸ばした。サツイチ倉庫新築や山光運輸倉庫新築、札幌開建の石狩川改修旧夕張川南18線樋門改築ほかが主な工事。

 6位の大林組は101億5600万円となり、2年連続で100億円台に乗せた。恵庭市の焼却施設整備を受注している。

 NIPPOは前年度同期の約2倍となる99億2700万円を受注し、第1四半期の15位から7位に大きくアップ。自動車関連メーカーと自動車部品メーカーそれぞれから民間土木工事を獲得し、同部門でトップとなった。このほか、仮称ライオンズ北2東2新築も請け負っている。

 大成建設は96億6100万円で8位。民間建築でのリニューアル工事の積み上げが主なところ。

 9位の西松建設は96億4700万円で第1四半期の50位から上位10社入り。七飯町の大中山小校舎北棟改築主体を共同体メインで受注し、大和ハウス工業の仮称DPL札幌東雁来新築を単独で射止めた。

 丸彦渡辺建設は10位で、80億2400万円の受注額。道立衛生研究所実験研究棟耐震改修1工区を単独、苫小牧市の日新団地市営住宅6号棟新築主体を共同体サブで受注したほか、民間建築でリニューアル工事を請け負った。

 10位までが80億円以上の受注額。11位以下を見ると、13位の萩原建設工業までが70億円台、前年度同期は16位までだった60億円台は18位の川田工業までが乗せた。

 道内企業では32位の高橋組が前年度同期の82位から、41位の田畑建設が111位からともに急伸。道外勢では浅沼組やイチケン、飛島建設が大きく順位を上げた。

 分野ごとの上位5社は、官庁土木が①鹿島②宮坂建設工業③岩倉建設④道路工業⑤伊藤組土建、民間土木が①NIPPO②大林組③鹿島④日本道路⑤佐藤工業、官庁建築が①熊谷組②丸竹竹田組③岩田地崎建設④大林組⑤田中組、民間建築が①岩田地崎建設②宮坂建設工業③西松建設④伊藤組土建⑤中山組―という順。

 50社の受注総額は2981億8547万円。13、14年度と続いた3000億円台には一歩届かなった。07年度以降では、13年度の3783億円、14年度の3330億円、08年度の3209億円、07年度の3169億円に次いで5番目の額となる。

 内訳は、官庁が973億7067万2000円。前年度同期に比べ5.5%増えたが、2年連続で1000億円を切った。民間は7.8%増の2008億1479万8000円。比率は官庁が35%、民間が65%。

 官庁工事は、16年度予算が15年度補正予算を含む15カ月予算ベースで前年度を上回ったことや、国関係を中心に早期発注が図られたことから多少回復。民間工事も相変わらずニセコや道央圏での設備投資が続いていて、13年度以来3年ぶりに2000億円を突破した。

 土木は6.8%増の1025億6342万8000円で、官庁が18.3%増の719億5766万1000円、民間が13.1%減の306億576万7000円という内訳。

 建築は7.2%増の1956億2204万2000円。官庁が19.4%減の254億1301万1000円、民間が12.7%増の1702億903万1000円だった。民間建築は過去最高となった13年度の1867億円に及ばないものの、2番目の08年度の1725億円に次ぐ高い水準にある。

 51位以下を含む1社当たりの平均受注額は、13、14年度と2年連続で上回っていた20億円にあと一歩届かなかった。


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