2026年冬季五輪・パラリンピック招致を目指す札幌市は8日、大会コンセプトや施設計画などを盛り込んだ開催提案書を、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長に提出した。秋元克広市長は2度目の五輪招致について、街をリニューアルする契機とする考えを示した。
札幌市の秋元市長と、道の岡田恭一東京事務所長、経済界などでつくる冬季オリンピック・パラリンピック札幌招致期成会の岩田圭剛会長らが東京のJOCを訪れた。
市は14年11月、1972年以来2度目の五輪招致を表明し、今回の提案書はJOCが26年以降の大会開催の可否を判断する参考資料となる。
冬季五輪は18年に韓国・平昌、22年に中国・北京が開催地。26年が札幌になれば3大会連続の東アジアとなる。国内で26年の招致を表明したのは札幌のみ。海外ではスイスやカナダが立候補を目指しているとされ、他都市の状況次第では30年にずれ込む可能性もある。
開催経費は道立真駒内屋外競技場を建て替える場合と、帯広市の明治北海道十勝オーバルを活用する場合の2パターンで試算。札幌案で4565億円、帯広案で4328億円を見込む。
20年東京五輪・パラリンピックの経費が大きく膨らんでいることを踏まえ、継続的な財政情報を開示していくとともに、民間資本の積極活用とリュージュやジャンプ場といった国内に数箇所しかない競技施設は国立での整備を求めていく方針。
期間は五輪が26年2月6―22日、パラリンピックが3月6―15日。札幌市内の競技施設は改修か建て替えとなり、アルペンスキーのニセコ会場も既存施設を改修する。
竹田会長との懇談は非公開で行われた。懇談後、報道陣の取材に応じた秋元市長は、竹田会長から提案内容を吟味し最終的にJOCとして判断するとの話があったと説明。「札幌をアジアのウインタースポーツの拠点に位置付けるとともに、北海道全体の発展につなげていきたい」と語った。
岩田会長は「一つのステップを踏めたと思う。市と協力しながら26年の招致に全力で取り組みたい」と意欲を示した。
札幌の提案書提出は、東京の岸記念体育会館で同日開かれたJOC第4回理事会で報告された。