北海道開発局は近く、8月の台風で甚大な被害を受けた河川の本復旧工事を順次、公告していく。堤防決壊などの被災があった空知川や札内川などの復旧を想定している。水量が増える来春の出水期までに工事を完了させる方針だ。
全道の国管理河川の主な被害を見ると、8月31日に南富良野町の空知川左岸で堤防2カ所が決壊し、幾寅地区が約130ha浸水した。決壊規模は、国道38号太平橋付近が約150m、そこから1㌔ほど上流の地点が約300mとなっている。決壊箇所の緊旧復旧工事として2カ所合わせて3万1000m³の盛り土で堤防を形成した。現在はブルーシートで盛り土部分を覆い、3㌧の根固めブロックを設置している。
札内川は2カ所が被災。1カ所は、戸蔦別川合流点付近にある大正橋下流の左岸で延長200mにわたって堤防が決壊し、50haが浸水。家屋や倉庫、民間発電事業者のソーラー発電施設が被災した。もう1カ所は中札内村にある上札内橋下流1㌔の左岸で、堤防が200m崩れた。
音更川では、士幌町内にある音和橋上流の左岸で延長200mにわたって堤防の一部が流失した。
これらの十勝管内の河川は、9月8日までに管内業者が緊急復旧工事を完了させている。
常呂川では、支川である柴山沢川でも破堤し、大型土のう、中詰め土、ビニールシート巻き立てを約100mで施して応急復旧した。
北海道開発局が9月30日に札幌市内で開いた有識者委員会では、空知川、札内川、音更川、柴山沢川について、堤防を原形復旧した後、浸食対策を施す本復旧工法を了承した。
空知川、札内川、音更川の決壊箇所は、河川側の堤防法面を計画高水位までと低水河岸を大型連節ブロックで覆う。札内川の上札内橋下流1㌔の左岸では低水河岸の浸食や洗掘を防ぐ水制工を併せて整備する。
柴山沢川の決壊箇所は川側の堤防法面を計画高水位まで大型連節ブロックで覆う工法とする。