室蘭市がフェリーターミナルビル改修を17年度に実施-新航路開設で

2016年11月16日 19時22分

 室蘭港のフェリーターミナルビルなど関連施設を全面改修する室蘭市は、2017年度当初予算に事業費を計上し、年度明け早々から主体、電気、機械などに分割して順次公告する方針だ。主体などは議会承認案件となる見通し。工事費は本体6億円、付帯施設3億円の計9億円を試算しているが、労務費や資材の単価高騰で膨らむ可能性もある。18年6月の新航路開設に向け、単年度での完成を目指す。

 現在の施設は1994年の竣工で、当時航路を持っていた旧東日本フェリーが整備したもの。本体は規模がS造、3階、延べ3152m²に上り、船と接続し屋根と壁に覆われた延長200m、幅員3mほどの空中歩廊(S造、平屋、延べ614m²)や人道橋、船尾に接続する車両用の可動橋などを備えている。

 定期航路は、青森港とを結ぶ便を最後に08年で消滅。ビルは別会社の管理を経て市が無償で引き継いだが、実際はほぼ使われていない状態だった。

 一方、川崎近海汽船(本社・東京)は15年3月、岩手県宮古港との間に新航路を開設するとの方針を発表。これを受けて市は、施設を建て替えるか改修するかで15年度にコストを比較検討し、改修が望ましいとの結論を得た。

 本体では屋上防水やガラスシーリングを全面改修するほか、外壁の一部改修、電気・機械関係などの更新を予定。付帯施設では空中歩廊の改修と増築(S造、平屋、延べ68m²)、人道橋更新、可動橋補修や、屋根付き駐輪場新設(S造、平屋、延べ62m²)、駐車場区画線引き直しなどを見込む。

 実施設計はことし8月に入札し、北海道綜企画が税抜き2355万5000円で落札した。年度内の完了を目指しており、この中で改修の詳細を固める。

 フェリーふ頭には4つのバースがあるが、宮古航路にはターミナルビルに近い第4バースを活用する。かつては大洗港と結ぶ1万3000㌧級の船が使っていたが、川崎近海汽船では当面の間、現在苫小牧港―八戸港間で運航している7000㌧級の船を利用する方針。そこで市は船のサイズに合わせた防衝工改良なども進める考えだ。


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