日勝峠、来秋開通へ-開発局が来春から復旧工事を本格化

2016年11月29日 19時16分

 北海道開発局は29日、8月の台風10号による大雨の影響で土砂崩れや落橋など大きな被害を受けた274号日勝峠の通行再開が2017年秋ごろになるとの見通しを発表した。橋が落ちた箇所に仮橋を架けたり、土砂崩れの箇所を盛り土するなどしてほとんどの区間で対面通行を確保する。応急復旧や復旧に向けた準備工事が始まっていて、来春から復旧工事が本格化する見通しだ。

 274号日勝峠の被害箇所は、通行止めが続く日高町千栄から清水町までの39・5㌔で66カ所に上っている。内訳は橋梁の損傷が落橋3カ所を含む10カ所、覆道の損傷が3カ所、道路本体の大規模な欠損が6カ所、その他土砂崩れや路肩損傷などが47カ所。開建別では室蘭開建が31カ所、帯広開建が35カ所となる。このうち被害が大きい室蘭開建24カ所、帯広開建21カ所の計45カ所は災害復旧として申請した。

 現在は道路欠損部を盛り土したり仮橋を架けるなどの緊急復旧工事を宮坂建設工業や岩倉建設など地元建設会社が進め、これまでに峠頂上付近まで工事用車両が通行できるようになった。

 来秋の通行再開は、日高町内の千栄地区で沙流川の増水に伴い道路が大きく欠損した400mと基礎部が大きく損傷した清瀬覆道1200mが片側交互通行になる見通し。これら区間以外は対面通行で復旧を目指す。

 道路ごと斜面が崩壊した清水側の7合目付近と8合目付近は、いずれも原形復旧する方針。7合目は崩壊箇所の前後のすり付け部を含めて240mを復旧。8合目付近の石山トンネル清水町側は、上り90m、下り100mを復旧する。

 冬場に工事はできないため、春先からすぐ現場に入れるよう冬期間は除雪などの準備工を継続する。森林管理局が所管する山側斜面の対策工は来春以降の着工を目指す。

 被災から1年程度で通行できる見通しについて高薄渡清水町長は「物流、観光面で貴重な道路だ。現地を視察したとき、3年ぐらいかかると思っていたが、高い技術力を駆使してこのような短期間での開通見通しとなったのは大変喜ばしい」と話している。


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