2017年に創業100年以上となる全国の老舗企業は3万3069社に上り、うち北海道は2.9%に当たる962社であることが東京商工リサーチの調査で分かった。倒産の減少を背景に全国で年間1000件以上のペースで老舗企業は増えており、前回12年8月の調査に比べ全国で20.5%、北海道は33.9%それぞれ増加した。
都道府県別に見ると、東京が3811社で全体の約1割を占め最多。大阪2022社、愛知1788社と続く。古都・京都は1485社、清酒製造が盛んな新潟、兵庫も1200社以上と上位につけ、北海道は8位にランクインした。
業種別では清酒製造が850社でトップ。貸事務所業が694社で続いた。3位は旅館ホテルと酒小売で、いずれも693社。酒卸売も393社で10位に入るなど、酒関連は3業種が上位10位以内に入った。
このほか旅館・ホテルは693社で3位。建設関連は建築工事が603社で6位、土木工事が553社で7位に入っている。
道内の最古企業は江戸時代の1855年に京都で創業した豆屋とかち(本社・本別)。老舗旅館の第一滝本館(同・登別)が1858年、菓子製造の千秋庵総本家(同・函館)が1860年と続く。建設関連では、電気工事の北都電機(同・札幌)が1871年の明治初期に創業している。
全国最古の企業は四天王寺の建立で578年に創業した社寺木造建築の金剛組(本社・大阪)で、業歴1438年を迎える。国内証券取引所に上場する老舗企業564社のうち、最も歴史があるのは1586年創業の松井建設(同・東京)で、こちらも寺社や歴史建造物を得意とする。