IR誘致目指す道内3市村の構想で最大投資額は3513億円

2016年12月13日 19時09分

 自民、公明両党がカジノを中核とする統合型リゾート(IR)推進法案の今国会での成立を目指す中、道内で誘致運動を進める苫小牧、釧路、留寿都3市村がまとめた構想が明らかになった。3市村の建設投資額は最大3513億円を見込む。会期末の14日に法案が成立した場合、3協議会は15日にも仮称・北海道IR推進連絡協議会を設置。道の協力を得ながら、IRを実現するため、誘致、PR活動に積極的に取り組む方針だ。

 参院内閣委は13日、IR法案の審議を続行。委員長ポストを握る民進党は採決に応じない姿勢のため、与党は委員会採決を省略し、参院本会議で「中間報告」を行った上で採決することも視野に入れる。与党は、14日中の法案成立が危うくなれば会期の再延長も辞さない考えだ。

 道内3市村の構想によると、建設投資額は苫小牧が最も多くて1593億200万円、1126億1300万円の年間売上高を想定している。経済波及効果は、建設時に3029億9300万円、運営時に年間1624億800万円と分析する。

 釧路は、阿寒湖温泉地域を対象とし、投資額は最大約740億円で、施設運営時の売上高は約450億円を試算。経済波及効果は建設時に1380億円、開業後でも年間570億円に上る。

 留寿都村は、ルスツリゾートの北東部にホテルやカジノ、MICE施設などを整備するIR構想をまとめた。札幌とのアクセスを改善する中山峠へのトンネル掘削などを含め、総建設費は1180億円を試算している。

 ホテル部が延べ11万3300m²で投資額543億8400万円、カジノ部が延べ9500m²で45億6000万円、MICE施設が延べ3万1250m²で投資額137億5000万円を見積もる。

 別の敷地には、飲食ショッピングスペース延べ3万2800m²、投資額108億2400万円、エンターテインメント施設延べ3000m²、投資額10億2000万円で建設する。村中心部と施設を結ぶモノレールの敷設も予定している。

 15日に発足予定の北海道IR推進連絡協議会は、書面により3市村の各推進協議会代表が連名で組織化する。IR誘致を実現させるため、IR構想の協議や策定、誘致に向けた要望やPR活動を行う。

 同連絡協議会の活動には、道も前向きで、IR法案が国会で成立した後、別途制定する必要がある実施法案について協議会と情報共有に努め、参加の要請があれば検討するとしている。


関連キーワード: IR 観光

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 日本仮設
  • 川崎建設
  • 古垣建設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,372)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,294)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,293)
藻岩高敷地に新設校 27年春開校へ
2022年02月21日 (1,107)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (1,043)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。