道東あさひ畜産クラスター協議会(別海町別海緑町116の9、田中博行会長)は、2016年度補正による畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業として、牛舎建設など12事業を予定している。総事業費は48億8281万1213円で、このうち21億6836万8000円(いずれも税込み)を国費で賄う。
設計が完了した案件から一般競争で公告する。早いものは2017年3月中に公告し、4月から工事を始める。5月末までには全て発注する計画だ。
飼料用穀物価格の高騰や農家戸数の減少、環太平洋連携協定(TPP)などを背景とした、地域ぐるみで収益性を向上させるための補助事業。
農林水産省は13年度に745万㌧だった生乳生産量を、25年度までに750万㌧に増やすことを政策目標としている。実現のため、省力化機械の導入による経営の効率化や飼料の安定供給を図る。
14年度補正で畜産競争力強化整備事業を創設し、201億1500万円を措置。畜産クラスター協議会が実施する施設整備などの事業費の半分以内を補助する仕組みをつくった。15年度補正では畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業として全国で609億8100万円、16年度補正では684億8100万円をそれぞれ確保した。
同協議会では14年度補正で約15億円、15年度補正で約23億円、16年度補正で約49億円の総事業費を施設整備に投じている。
整備予定は次の通り。(個人名は法人化手続き中、建物は全て平屋)
◇搾乳ロボット▽田中牧場(根室市湖南100、田中照義社長)フリーストール畜舎=S造、延べ7028m²、ロボット6台▽伊丸岡忠次(別海町奥行6)フリーストール畜舎=S造、延べ2554m²、ロボット2台▽山賀秀一(別海町中西別52)フリーストール畜舎=S造、延べ2737m²、ロボット2台▽羽石正憲(別海町中西別39)フリーストール畜舎=S造、延べ2909m²、ロボット2台
▽オードリーファーム(別海町中西別309、伊藤智社長)フリーストール畜舎=S造、延べ4650m²、スラリーストア=容量2500m³、ロボット4台▽斉藤哲夫(別海町上風連35)フリーストール畜舎=S造、延べ2097m²、スラリーストア=容量600m³、ロボット2台▽GATTEN(別海町上風連176、木下寿博社長)フリーストール畜舎=W造、延べ2877m²、スラリーストア=容量2500m³、ロボット3台
◇搾乳パーラー▽石坂牧場(別海町西春別407、石坂英登社長)搾乳施設=W造、延べ816m²、20頭ダブルパーラー▽木村利昭(別海町泉川61)フリーストール畜舎・搾乳施設=W造、延べ1795m²、6頭ダブルパーラー▽まろにえふぁーむ(別海町上風連104、田辺光夫社長)フリーストール畜舎・搾乳施設=W造、延べ2651m²、スラリーストア=容量2461m³、12頭ダブルパーラー
◇TMRセンター▽ひがし北海道TMRセンター(別海町奥行13、齊藤主夫社長)バンカーサイロ14基=容量2万2680m³、飼料調製庫=S造、延べ245m²、配合タンク10基=容量70㌧、管理棟=W造、延べ77m²
◇肉用牛施設▽瑞穂農場(茨城県常陸大宮市、下山一郎社長)フリーバーン畜舎2棟=S造、延べ2176m²、延べ4963m³