徒歩圏内で豊かな暮らしを-上士幌町が公共施設配置計画の方針案

2016年12月21日 19時18分

 上士幌町は、公共施設等配置計画の整備方針案をまとめた。役場庁舎を中心として半径400m圏内に交通拠点やレクリエーション拠点、学びの拠点などを集約する「上士幌セントラルベルト構想」に基づいて、町民が徒歩圏内で豊かな暮らしができるようにする。消防庁舎の移転新築も盛り込んでいる。

 同町は2012年度に第5期総合計画を策定。この中で公共施設の配置に関するグランドデザイン作成をテーマの一つにした。北大大学院工学研究院の森傑教授をアドバイザーに迎え、住民の意見を交えながら基本方針や具体的な事業計画を決めてきた。

 森教授は、都市構造が拡大した地方都市のこれから求められる市街地のコンパクト化を「まちの整体」と名付けて提唱。上士幌町では、町全体の特徴を踏まえた再編案として、役場庁舎と生涯学習センターを結ぶ東西を基軸としたセントラルベルト構想を導き出した。

 現状の役場庁舎と生涯学習センター(改築中)は国道273号で分断されているが、町民が東西に歩きたくなるような空間デザインを用意する。

 具体的には役場庁舎南側に散策林や気球広場、遊歩道を整備。町民が気軽に散歩や井戸端会議ができるようにする。

 その南側には上士幌ターミナルを新設する。バス待合所・営業所施設を置き、レンタサイクルやカーシェアリングのほか、自家用車からバスへの乗り換えを促すパークアンドライド機能を持たせる。公共交通の利便性を充実し、まちなかの居住や滞在を実現させる。

 消防庁舎は役場の北側に移転新築する。現在の上士幌消防署は役場庁舎と一体で、西側に配置されているが、手狭で耐震性が低く、老朽化も進んでいる。このため、21年度までの第5期総合計画内での移転新築を目指している。

 公営住宅の整備方針もまとめた。35年度までの30年間を10年ごとの3ステージに分けて建て替えや住み替えを進めていく。現在ある408戸を最終年度には210戸に集約する。25年度までの最初の10年間ではユニバーサルデザインタイプの小規模住戸を計30戸新築。15戸は現在、西団地に住む介護不要な高齢者の住み替え対象とし、残りは新規入居希望者を受け付ける。

 町はこれら整備方針案について1月20日まで町民から意見を募る。意見をまとめ、3月までに開かれる総務文教厚生と産業経済建設の常任委員会に諮り、成案化する。


関連キーワード: 道東

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • オノデラ
  • 古垣建設
  • 日本仮設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

藻岩高敷地に新設校 27年春開校へ
2022年02月21日 (2,980)
おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,389)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,329)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,283)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (899)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。