札幌市は23日、冬季版総合ナショナルトレーニングセンター(NTC)の整備構想案を明らかにした。医科学施設やトレーニング施設など合わせて延べ約4万m²の屋内施設と、屋外・その他設備の整備を見込んでいる。詳細は2019年度までにまとめるとのスケジュールを描いている。
冬季版NTCの想定機能には医科学施設や競技別・一般トレーニング施設、宿泊・サービス施設、屋外・その他設備を挙げた。
医科学施設には情報分析や映像編集、用具開発のほか、カウンセリング、リハビリ機能を盛り込み、必要規模に延べ約4000m²を試算。
競技別トレーニング施設は延べ約1万3000m²とし、冬季競技の姿勢研究などに活用する風洞実験室、ソリ競技スタート施設などのほか、カーリングシートや屋内バイアスロン射撃場を整備する方針。
体育館やプールなどを中心とする延べ約5000m²の一般トレーニング施設や、延べ約1万8000m²に上る宿泊・サービス施設機能も考えている。宿泊は500人規模とし、栄養指導食堂なども設ける考え。屋外には地下クロスカントリーコース、陸上トラックを想定している。
整備候補地はNTC競技別強化拠点など競技施設が多く、アクセス性も良い札幌市内を想定。十分な降雪量や恵まれた雪質なども市内を選んだ根拠とした。具体的には各競技施設とのアクセスや公共交通、立地条件、周辺環境を考慮して建設地を検討する。19年度までに構想をまとめ、19―22年度のスケジュールで国が整備すると想定している。
これらは冬季オリンピック・パラリンピック競技団体連絡会議のアスリート部会第3回会合で示したもの。
この中で、ボブスレー・スケルトンの稲田勝委員は「ソリ競技はスタートがすごく重要。ぜひ造ってほしい。氷を冷やす競技は費用が掛かりがちだが、氷競技をひとまとめにすることで費用面の問題が軽減できるのでは」と期待感を表明。
一方、この施設は通年利用を前提としているが、多くの委員から「トップアスリートは、冬季のハイシーズンは海外に遠征し、日本にいないので利用しない」との指摘もあった。