北海道ドローン協会発足へ-当別に常設練習場、普及を後押し

2017年01月25日 18時55分

 環境や農業、土木分野の産学でつくるNPO法人デジタル北海道研究会(理事長・橋本雄一北大大学院教授)は4月に、小型無人機・ドローンの道内普及と安全な利活用の定着を目的にした「北海道ドローン協会」を設立する方針を固めた。当別町に常設のドローン練習場を設け、技術向上や資格取得を支援するほか、寒冷地の運用検証に取り組む。建設分野での活動を中心に、農林業など道内他産業に対象を広げ、空の産業革命がもたらす恩恵を根付かせていく。

 同研究会は地理空間情報技術や衛星測位、航空写真を使うリモートセンシング(遠隔計測)の研究や普及を目的に活動。近年は計測手段としてドローンの安全啓発、活用研究に取り組んできた。

 航空法が改正され、道内は災害や防災、建設、農業分野でドローン導入が急速に進んでいることから、ドローンに特化した下部組織として、専門の団体を立ち上げることにした。

 運営は大学の学識者の他、地場ゼネコンの岩田地崎建設、建設コンサルタントのドーコン、航空測量会社のシン技術コンサルなど建設関連の代表的企業が参画を予定する。

 活動は①普及と安全啓発②利活用の技術講習③技術と寒冷地対応研究④練習場の運営―が柱。普及課題の練習場不足を解消するため、岩田地崎建設の関連会社が当別町に保有する敷地を常設の練習場として整備。5月ごろから会員に開放し、技術向上や資格取得を支援する。

 建設分野の参加予定が多いことから当面は、国土交通省の生産性向上施策i―Constructionで需要があるインフラ整備や維持管理の活用研究、官公庁の活用支援を中心に据える。

 練習場の利用状況把握のため紹介制で会員を募るが、農林業や観光、メディア、物流などの利活用ニーズに対応するため段階的に対象を広げる考え。個人利用者にはイベントや定期的な練習会の開催を予定している。

 研究会理事で農業の活用研究を進める小川健太酪農学園大准教授は「北海道はドローンを利用できる土地、需要が多く条件に恵まれている。ブームで終わらせず発展させるには利用時の安全管理が重要。協会発足で全国に先駆けた活動ができる」と話している。問い合わせは事務局、電話011(299)8104まで。


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