北洋銀行は26日、2017年の道内企業業況見通しを発表した。民間設備と公共投資の増加で建設関連業種が堅調に推移するとし、全産業DIの売り上げを前年比1ポイント上昇のマイナス3と予測。利益は原油高の懸念や北海道新幹線の開業効果の反動で、ホテル・旅館業、運輸業が悪化を見込み、6ポイント下回るマイナス7とした。
道内の取引先710社に昨年11月中旬から12月中旬に調査し、建設業81社を含む414社が回答した。回答率は58.3%だった。
16年は、8月に発生した台風被害の影響でホテル・観光業が悪化する半面、民間設備の堅調さや公共投資の増加で建設関連業種が改善を見せるなど明暗が分かれた。全産業では売り上げが前年比9ポイント増のマイナス4、利益も3ポイント増のマイナス1といずれも上昇した。
17年は売り上げがやや改善するものの、利益は悪化する見通し。民間、公共投資は堅調に推移するが、新幹線開業効果の反動や石油輸出国機構(OPEC)が1月からの原油減産具体策を合意したことによる価格動向の懸念から、業況を慎重に見る企業の動きが強まっている。
製造業のDIは売り上げがマイナス2、利益がマイナス5で、どちらも回復するとみる。木材・木製品は低金利を背景とする住宅需要により、製材生産が伸び、鉄鋼・金属製品・機械も公共投資の増加が後押しし、利益改善を見込む。
非製造業のDIはホテル・旅館業や輸送業、卸売業が大きく悪化するとし、売り上げは前年同様マイナス4にとどまるが、利益は10ポイント減のマイナス8と予測。原油価格上昇の懸念で、輸送業や卸売業の利益を圧迫すると見込むほか、観光も個人消費の低迷に加え、新幹線効果でこれまで好調だった道南地区の宿泊施設に反動減が一部で出てくると分析する。
建設業はこれまで同様に民間工事や公共投資の好調は続くとし、売り上げは7ポイント増のプラス8、利益は10ポイント増のプラス3といずれも回復。全産業を底上げしている。
そうした中、建設業の企業からは「人材確保の懸念と技術者の高齢化により、仕事があっても受けられない状況になる」「台風の復旧工事に予算が引っ張られ、公共工事費が偏ることが懸念される」といった雇用動向や公共投資の先行きを心配する声が目立った。