札幌市雪対策室は、次期冬のみちづくりプラン策定に向けて、道路維持除排雪業務への複数年契約導入について可否を議論する方針だ。1月31日に市民ホールで開いた同プランの第2回検討委員会で示したもの。新たに専門部会を設置し、具体的な議論を進めることを確認した。
2018年度冬の運用開始を目指す次期プランは、雪対策の新たな10カ年計画となるもの。公共事業削減による建設業者の体力低下、雪堆積場の確保難など、想定を超える課題が顕在化していることを踏まえ、人手不足などを考慮した持続可能な除排雪体制確保に重点を置く。昨年10月に検討委員会(委員長・高野伸栄北大公共政策大学院教授)を発足させた。
2回目の会合では前回の意見を踏まえ、市が検討項目を整理。財政状況などに関する全般分野を除き、今後議論を進める検討項目と方向性を①ルール・マナーに関する広報②除排雪体制の確保③市民力を結集した取り組み推進④安心・安全の冬のみちづくり―の4項目に分類。うち、②と③には専門性が強い内容が含まれることから、部会を設けて議論を深める。
「除排雪体制の確保」では、将来を見据えた人材の確保・支援、除雪オペレーターの定着・育成支援、安定的な契約制度の構築を方向性として打ち出した。
同室計画課としては、契約制度について現行の夏冬一体化をさらに進める形で、2、3年分を一括する複数年契約方式の導入が可能かどうかを検討する方針。ただ、14年度に実施した道路維持除雪業者向けアンケートでは、複数年契約に対する賛成がわずか1割にとどまった経緯があり、実現を目指すには、経営安定化の面から慎重な制度設計が求められそうだ。
「市民力を結集した取り組み」では、生活道路の除排雪を含め、市の役割明確化を議論。高齢化が進む地域の実情や、町内会加入率の低下などを踏まえ、町内会に無償で貸し出す「市民助成トラック」制度の在り方なども協議することにしている。