建設重機にBDF燃料-札幌市や開建の現場で利用拡大

2017年02月03日 18時57分

 植物油から精製されるBDF混合燃料を、建設重機に使う現場が増えている。公共工事への環境配慮意識の高まりが背景にあるとみられ、道央圏では開発局や札幌市などの発注現場で利用が拡大している。

 現場で使われているのは、改正品確法の軽油強制規格に適合した、バイオディーゼル5%以下の混合軽油(B5)。温室効果ガス発生の少ない燃料として注目を集めている。

 道央圏では主にエアウォーターグループのどりーむ(本社・札幌市白石区)が、石狩市にある自社プラントで製造。同社によると、販売開始した15年9月から17年1月までの約1年半で、札幌開建や札幌市などの発注現場約90件に導入されたという。

 重機や発電機に使う燃料の二酸化炭素(CO2)排出量を削減でき、現場終了後は使用実績に基づき、どりーむがCO2削減量を示す証明書を発行する。

 札幌市の場合、受注業者が自主的に取り組む創意工夫の一環で道路や除雪現場で導入が拡大。屯田茨戸通の仮称・創成川橋下部新設を施工する北土建設(本社・札幌市中央区)もその一つ。

 この現場では近くの北区西茨戸地区の住民に協力を呼び掛け、西茨戸6条1丁目の現場事務所敷地内に設置した回収場所で、500㍉ペットボトルに詰めた形で天ぷら油を回収。集めた油は、どりーむが自社プラントに持ち込み、B5燃料に精製してから再び現場へ配送する。

 屯田茨戸通は花川通交点を起点に国道231号交点を終点とする主要幹線道路で、完成後は主要道道札幌北広島環状線を形成。総事業費は100億円を超える。

 同社が請け負うのはこの初弾工事。それだけに初田雄介現場代理人は「油の回収が、地域の皆さんとコミュニケーションを深めるよいきっかけになった」と話す。

 現在は橋梁基礎を形成する杭打ち工事が進行中。周辺住宅地への配慮から、低騒音・無振動工法を採用している。工期は3月24日まで。今後も工事の安全に加え、地域を巻き込んだ環境負荷低減の取り組みを続けていく。


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