札幌市財政局は、総合評価方式での技術評価点1位同点の抑制や多様な事業者の参加促進による競争性確保に向け、評価区分細分化と拡大に踏み切る。国交省が求める簡易確認型を、総合評価方式で2件程度試行することも決めた。いずれも22日以降の公告分から適用する。
工事の総合評価方式で、評価区分や点数が変更となるのは「企業評価」の「工事実績の成績点」と「企業の工事成績の平均点」、「配置予定技術者評価」の「過去の従事工事における成績点」の3項目が対象。
この3項目について、現行では上位20%をA区分としているが、技術評価点での1位同点を抑制するため、上位10%をA区分、20%をB区分として細分化し、点数に差を付ける。また、多様な事業者の参加を促すため、従来は評価対象の下限を上位50%以上としていたが、70%以上にまで拡大。公告段階では具体的な基準点として示す。
最上位区分の配点は項目ごとに引き上げ、工事成績平均点を重視する。実績Ⅰ型などでは最高点が2・8点となる。
これに合わせて、測量業務型でも評価項目と配点を見直す。企業評価に「総合評価方式による業務の履行状況」、地域貢献等評価に「本店所在地」の項目を新設。履行状況では競争性を高めるため、当該年度に総合評価方式の契約件数がない場合は3点を加点。本店所在地では市内業者に3点を与える。
このほか、企業評価の業務実績成績点と成績平均点について、A―Cの区分を廃止し、評価対象を70点以上に拡大。点数を25で除した数字を評価点数とする。また、過去5年の本市の表彰回数は、上限を5回から3回に引き下げる。これらの改定に伴い、「地域貢献等の評価」のうち、「本市の社会資本を支える地元企業の契約件数」の評価は廃止する。
工事・測量業務共通として、過去5年間の施工実績が1件だった場合の減点を廃止。市内企業活用の施工計画などで加算点を得たものの、竣工検査などで基準を満たしていなかった場合の6カ月間の技術評価点減点措置も、減点事例が少なく実効性が低かったため取りやめる。
人材育成の観点では制度浸透を理由に、評価資料は雇用契約書か労働条件通知書の提出を求め、法令順守を促進する。
一方、入札時に簡易な書類、落札候補者となった者に詳細な資料提出を求める簡易確認型では、札幌市独自として、詳細な申請書類提出を落札候補者第1位に限定。北海道開発局などでは第3位までに提出を求めているが、より受発注者の事務負担軽減に配慮した。