釧路開建は8日、釧路港西港区で整備を進める国際物流ターミナル(バルク)のマイナス14m岸壁B部上部で桟橋の土台となる大型ジャケット据え付けの施工現場を公開した。バルク港湾整備でメインとなる据え付け作業は、長さ100mを超える起重機船が大型ジャケットをつり上げ、海中に埋めた杭へと慎重に設置を進めていた。
バルク港湾は現在のマイナス12m岸壁では半載でしか入港できないパナマックス船を満載で入港できるようにするためマイナス14m岸壁に改良している。岸壁上部は施工期間の短縮や経済性を考慮しジャケット式桟橋を採用した。道内での施工は室蘭の追直漁港、函館漁港に次いで3例目となる。
ジャケットは1基当たり長さ24・6m、幅20m、高さ13mで重さは167㌧に上る。北九州の工場で製作し、海上運搬で2月に釧路港に到着した。今回の3基のジャケット据え付け作業には、旋回式のクレーンでは国内最大級の定格重量1800㌧を誇る起重機船を用いた。
据え付け作業は、波によるうねりで杭にジャケットが接触しないようGPSによる位置取りと設置したカメラからの情報を基に慎重に進められている。
施工を請け負う、あおみ建設の現場代理人である山本治朗釧路作業所長は「一般船舶が行き交う中で安全を確保するため関係機関と協議を重ね、アプリケーションを用いて各船舶の位置を確認している」と安全管理体制を強調していた。