当別町が無人航空機・ドローンを活用したまちづくりに乗り出す。ドローンを利活用する民間の取り組みを支援し、企業誘致など地域活性化につなげる。調整役として4月1日付で同町経済部商工課に「ドローン係」を新設。町内を拠点に活動を始める北海道ドローン協会と連携し、ドローン先進地を目指していく。
同協会と岩田地崎建設が町内茂平沢にある大同舗道当別プラント跡地で常設の屋外練習場を開設する計画に合わせたもの。
人口が密集する札幌市に近く、利用面で航空法の制約が都市部より少ない地域特性を生かすことで民間の取り組みを促し、人材養成や研究開発の拠点化につなげる考えだ。担当係は係長職1人を配置する。
今後、町は利活用の研究や普及推進に取り組む同協会に加盟し、早期に包括的な連携協定を締結する。
協会側も「積極的に協力していきたい」(事務局)とし、官民連携を通じ、農業の種まきや農薬散布、面積の6割を占める森林の調査、防災や観光、物流など、町内の利用拡大を図る。
町内には商社の岩崎が、ヒロボーなど無人機メーカーと協力して測量や農業利用の実証を進める試験農場があり、こうした民間企業や研究機関の取り組みを支援する環境や制度整備も進める。
将来的には、国道337号沿いに建設中の道の駅を核とし、その周辺で計画する企業誘致エリアに関連産業の集積を図る構想を描く。宮司正毅町長は「民間や大学の取り組みを応援しながら地方創生の道を開き、ドローンの町当別を目指したい」と話している。