夕張市は、2016年度から進めている石炭博物館の大規模改修について、来年4月の全面リニューアルオープンに向け、17年度は本館の改修に取り組む計画だ。事業費には約5億円を見込んでおり、防水や電気、機械設備などの整備を進める。工事は建築、電気、機械や展示品のリニューアルなど、4、5件に分けて発注する予定。6、7月にかけて一般競争で入札する見通しとなっている。
高松7の1にある石炭博物館(RC一部S造、地下1地上2階、延べ3526m²)は1980年7月にオープンした。本館の1、2階は、石炭の概要や炭鉱で使われていた道具、炭鉱で働いていた人々の写真などを展示。また、地下には模擬坑道があり、実物の坑道や石炭層を見ることができる。
しかし、施設の開館以来、改修工事を実施しておらず、市では展示品のレイアウト更新も含めた大規模改修に着手し、博物館を炭鉱の歴史を伝える社会教育施設として再生させることにした。
工事は16年度からスタート。模擬坑道約180mの改修を釧路コールマインが施工済みで、17年度から見学を再開する。
17年度に進める本館の改修では、防水工事のほか、現在は建物の奥にあるエレベーターをエントランス付近に移設。1階にある会議室は廃止してエントランスを広げ、そこに簡易なカフェのような施設を設置し、市民の憩いの場とする。
市では、この大規模改修に合わせて、これまで有料だった見学料金を1階部分のみ無料とするなど、ソフト面の対策も同時に検討することにしている。