滝川建設協会は、外国人技能実習生の受け入れについて理解を深めるため、17―21日の日程でベトナムを視察する。建協としては初めての試み。現地の送り出し機関を訪問し、研修風景を見学するほか、研修生との交流を通して、近年増加傾向にある外国人技能実習生の雇用について現地で考える。滝川建協では、人手不足解消につながる視察になることを期待している。
訪問するのは、会員企業から居林遠藤建設、植村建設、北谷組、桜井千田、泰進建設、田端本堂カンパニー、ハタダの7社に加え、会員外から2社の計9社が参加。このうち、居林遠藤建設では既にベトナムから外国人技能実習生を受け入れている。8日には送り出し機関の幹部が同建協を訪れ、実習生の資質や能力、熱意をPRする。
同建協では、3年ほど前から技術者をはじめ現場で働く技能者の不足が深刻になってきており、田端千裕会長は今回の視察の目的について、「労働者不足を補うための一つの手段」と話す。
こうした目的のために建協が先導して現地を訪問することは道内でも珍しく、田端会長は「訪問企業の中にはベトナム人と接したことのない人もいる」とした上で、「受け入れた場合、実際に多く接するのは自社の従業員。人に会って雰囲気を感じたい」と、今後仲間として働くことになるかもしれない研修生との交流に重点を置く。
視察では、職業訓練の研修風景を見学するだけではなく、日本の言葉や日常生活のルールなど生活に関することをどのように指導しているのかも確認。また、北海道の建設業でどれだけ働きたいかという気持ちの面も、視察で感じ取らなければならないポイントとなっている。
道内の建設業は、ベトナムに限らず外国人技能実習生を受け入れる企業が増加してる。空知管内でもベトナムやミャンマー、フィリピンなどの外国人を受け入れたり、受け入れ予定の企業があり、海外からの支援に頼らざるを得ない現状がある。田端会長も「うまく会員企業とマッチングしてくれれば」と、深刻な労働者不足を解決する一手になることを期待している。