苫小牧市は2日、2018年度の国・道・関係機関に対する重点要望事項34項目を公表した。新規に「苫小牧東部地域への自動走行実証試験施設の設置」を追加。最重点要望事項には234号の沼ノ端地区と沼ノ端こ線橋の拡幅など国道整備促進、JR北海道単独維持困難線区の存続と日高本線の早期復旧に対する支援など6項目を挙げている。
新規項目の自動走行実証試験施設では、自動車関連企業が集積し、寒冷な気候、良好な交通アクセス、広大な土地など大規模実証フィールドとして恵まれている苫東地域に、各社が共用できる寒冷地対応の公的な実証試験施設設置を求めていく。
234号の沼ノ端地区は、一般車両と港湾物流などの大型車両がふくそうする上、JR室蘭本線に架かる沼ノ端こ線橋は歩道が片側にしか設置されていない。沿道の急速な市街化に伴い歩行者が増加している上、自動車交通量も多いため、早期の拡幅を要望。国道整備ではこのほか、36号の樽前地区4車線化拡幅整備と市街地無電柱化などを盛り込んでいる。
昨年度までは札幌―函館間特急の安全・安定運行と日高本線の早期復旧としていた鉄道に関する要望は、JR北海道単独維持困難線区の存続と日高本線の早期復旧に対する支援に変更。北海道の特性を考慮し、沿線自治体に新たな財政負担が生じないよう、国と道の支援、JR北海道の経営改善が図られるような抜本的対策、室蘭本線と日高本線の存続と日高本線不通区間早期復旧への支援を求めていく。
このほか、苫小牧港の港湾機能強化と整備促進、胆振総合局・日高振興局管内4市14町を管轄する室蘭児童相談所の分室設置、道立特別支援学校の設置、仮称・苫小牧登別通の道道昇格整備を引き続き要望していく。