工事のくじ引き入札、50%超す-札幌市の16年度落札動向

2017年06月13日 19時09分

 札幌市は市長部局、交通局、水道局、病院局の2016年度落札動向をまとめた。くじ引き入札発生率が工事で50.2%と前年度から9.1ポイントも上昇し、特に土木や下水道、管の3工種で2桁の大幅増。委託は85.9%と1.8ポイント下がったものの、地質調査は22件全件でくじ引きが発生している。

 財政局が12日の入札・契約等審議委員会(委員長・高野伸栄北大公共政策大学院長)で示したもの。同委員会では、くじ引き対策について集中審議する方針を決めた。

 随意契約分を除く16年度の発注状況は、工事が前年度比47件減の1264件、契約金額は15年度にWTO案件4件を発注したことの反動で、124億7600万円減の733億4000万円にとどまっている。

 委託は件数が21件減の517件、契約金額は9億2600万円増の31億5600万円となった。

 平均落札率は、工事が89.63%と前年度比0.31ポイント低下した半面、16年2月に最低制限価格を引き上げた委託は80.82%で、5.32ポイント上昇した。

 くじ引き発生率は、工事が1264件中634件で、うち588件が最低制限価格での落札。舗装と造園の2工種以外は発生率が上昇し、特に土木は14.8ポイント、下水道は17.0ポイント、管は17.3ポイントも悪化してしまった。

 委託は517件中444件で発生が見られ、設計は3.2ポイント縮小したものの、測量は0.2ポイント、地質調査は6.2ポイントそれぞれ悪化。最低制限価格での落札は、測量が164件全て、地質調査が22件中21件、設計が258件中250件と高率で推移している。

 同局は、20%程度くじ引きが発生している総合評価方式について、2月から実施している評価区分の細分化や配点見直しにより今後の割合は半減すると見込む。

 この日の審議では、委員から特に工事のくじ引き発生率上昇に関する意見が多く、対策を巡って集中審議に入ることを決定。次回はくじ引きが発生した案件の入札参加者数の状況や、他都市の対策事例などを協議することを申し合わせた。


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