道東道占冠-十勝清水間が4車線化へ-近く概略設計に着手

2017年06月14日 19時16分

 東日本高速道路北海道支社は暫定2車線の道東自動車道のうち、占冠IC―十勝清水IC間で、4車線化への本格的な検討を始める。近く片側に2車線を拡幅する概略設計に着手する。延長は同区間に設置されている付加車線を除く約38㌔。道東道の交通量増加や、連休時に発生する渋滞の長距離化を解消するなど円滑な交通を実現させたい考えだ。

 9日に公告した簡易公募型プロポーザル方式の「道東自動車道道路構造検討」で進める。総延長47・1㌔のうち、付加車線は連続する土工部に計9㌔ほど設置済み。今後、概略設計の検討に入るのは付加車線がない残り約38㌔で、内訳は山地部の盛り土23・15㌔、橋梁2・75㌔、トンネル12・11㌔としている。この他、同業務では本線の完成4車線化に伴うIC改築検討と休憩施設改築検討を盛り込んだ。

 道東道は2011年に夕張IC―占冠ICが供用したことで飛び地状態が解消し、道東圏と道央圏が初めて高速道路で接続。本別IC以東は北海道横断自動車道として北海道開発局による新直轄方式で延伸も進み、15年に浦幌IC―白糠IC間が開通、16年には阿寒ICまで到達している。

 交通アクセスの飛躍的な向上を受け、道東道の交通量も右肩上がりに増えている。夕張IC―占冠IC間の開通当初の計画交通量は1日平均4300台前後だったが、開通後1年間の同区間の1日平均交通量は5800台で、15年度は7000台、16年度は7700台を記録。今後も釧路方面まで延伸することから、さらなる交通量増加が見込まれる。

 加えて、道東道の中でも同区間はトンネルや橋梁が連続し、勾配差も大きいため渋滞が発生しやすい。16年の大型連休には10年ぶりに十勝清水IC付近の広内トンネルを先頭に千歳方向へ28・5㌔の渋滞を観測し、ことしの大型連休時にも同規模の渋滞が起きた。同区間ではほかにも10㌔以上の渋滞が発生し、大型連休時には道内屈指の渋滞ポイントになっている。

 4車線化されると、道東圏と道央圏を結ぶ交通網が強化される。渋滞の緩和をはじめ相次ぐ自然災害に対する防災力やさらなる物流の確保、救急搬送、観光の促進効果などの期待も高まりそうだ。


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