浜中町は、7月にも霧多布港海岸防潮堤のかさ上げ改良実施設計を指名競争で入札する。道が2012年度にまとめた太平洋沿岸に整備する海岸保全施設の設計津波水位不足に対応するため、延長1868mにわたり防潮堤と陸閘(りっこう)で実施。かさ上げ高は当初の70cmから90cmへと変更した。
霧多布地区は1960年のチリ地震による津波被害を受けた。66年までに防潮堤と同時に、通常は海側と陸側を往来できる陸閘を整備。しかし、13年度の設計津波水位はTP(東京湾平均海面)5・1mに対し、同地区の天端高がTP4・5mと不足していることが判明。さらに16年度に実施した基本設計の段階で、積算基準の変更に伴いさらに不足していることが分かり、かさ上げの天端高を変更した。
かさ上げを施す範囲は、霧多布西の陸閘から霧多布東までの区間。既存の防潮堤や陸閘の天端に型枠を設置し、コンクリートでかさ上げする工法を予定。着工は18年度を見込み、当初の計画期間だった20年度から延長するもようだ。総事業費も当初は8億4500万円を試算していたが、かさ上げ高が増えることから増加することが想定される。
町は実施設計費1752万円を15日から開会した定例町議会に補正提案し、16日に可決した。今後、釧路開建と協議の上、発注作業に取り掛かる。